ロシア特殊部隊SOBR Lynxのナイフ

先日のロシア特殊部隊SOBR Lynxの記事で書き忘れた話題について書く。
machida77.hatenadiary.jp
ルィスの部隊のうち、モスクワのルィスが採用したというナイフの情報だ。

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http://zonwar.ru/xolodnoe/russ_combat_knife/Ris.html

このダガー状のナイフはロシアのナイフ・ファクトリーZlatoust AiRが製造しているナイフで、その名も部隊名と同じくルィス(Рысь)という。
ブレードとハンドルエンドには部隊のシンボルであるオオヤマネコの刻印がつけられている。
デザインしたのはロシアで数多くのコンバットナイフをデザインしたI. A. Skrylev氏。
このナイフはモスクワ・ルィス隊員に支給されるモデルのほか、狩猟用モデルが一般販売されている。
ハンドルはレザーワッシャー、ハンドガードとバットキャップはアルミ製。
シースはレザーシースが付属する。


製品名:Рысь
製造:Zlatoust AiR
全長:295mm
ブレード長:170mm
ブレードの最大幅:30mm
鋼材の厚さ:5mm
鋼材:95Х18ステンレススチール

米空軍が分解式サバイバルガンGAU-5Aの導入開始

www.thefirearmblog.com
アメリカ空軍のパイロット/搭乗員のサバイバル用ライフルAircrew Self-Defense Weapon (ASDW) GAU-5Aの導入が始まる。
新しいGAU-5AはM4カービンを分解可能にしたライフルで、バレル着脱・ピストルグリップの折りたたみによりコンパクトな状態になってサバイバルキットに収納される。
ACES IIサバイバルキットでは4つのマガジンと合わせてエジェクションシートに収納されるという。
2,137丁のASDWがA-10、B-1、B-2、B-52、F-15C、F-15E、F-16F-22の部隊に導入される予定。

米海兵隊リーコンのブッシュクラフトナイフBark River Knives Bravo-1

www.youtube.com
(動画:Bark River KnivesのオーナーMike Stewart氏とBravo-1のバリエーション)


先日の記事で英SAS隊員がBark River Knivesのナイフらしきものを装備していたと書いた。
machida77.hatenadiary.jp
関連して、Bark River Knivesのナイフが軍で使われた有名な例について書く。
2000年代にアメリ海兵隊リーコンの訓練部隊はファイティングナイフではないサバイバルナイフ/ブッシュクラフトナイフを求め、5千ドルかけて様々なナイフを購入し、多くの中隊で実際に使用した。中隊では誰もこのテストについて知らなかった。
1年の使用の後に残ったのはBark River KnivesのA2工具鋼製のGamekeeperだった。海兵隊員によると完全にテストに耐え、鋭さを保っていたのはこのナイフだけだったという。
海兵隊リーコンは、GameKeeperに変更点を加えたナイフを作るようBark River Knivesに求めた。
変更点は次の3つ。


1.チョイルを無くす(より刃を長くとる)
2.親指を乗せるランプをブレードバックに設ける。
3.ガードをセルフガードへと変更する(別パーツのハンドガードではなく鋼材の形状がハンドガードになっているデザイン)


これらの要望を元にして2008年に完成したのがBravo-1というナイフだ。
このBravo-1誕生の経緯についてはBark River KnivesのオーナーMike Stewart氏が以下のフォーラムに投稿した内容に基づいている。
Bravo-1 Sneek Peek - JerzeeDevil Forums
その後Bavo-1は鋼材違いなどの様々なバリエーションを生みつつ、現在も販売されている。

Emerson KnivesのフリッパーナイフCQC-15 XHD登場

knifenews.com
Emerson Knivesから新しいフリッパーナイフが発売された。
今回はCQC-15のフリッパーモデル、CQC-15 XHDである。
限定生産で通常ラインアップに加わるわけではない。
標準のCQC-15と同じく鋼材は154CM、ハンドル材はG-10、ライナーはチタン。
ブレードの表面処理は黒またはストーンウォッシュ。
価格は260.95ドル。オプションで価格は変わる。

ロシア特殊部隊SOBR Lynx

note.mu
先日、システマ東京の北川貴英インストラクターがシステマ創始者ミカエル・リャブコ師の経歴に関する記事を公開した。
この記事でミカエル師がロシア内務省特殊部隊SOBR Lynx(СОБР Рысь)創設メンバーだったことが紹介されている。
Lynxについては前にミカエル・リャブコ師の長男ダニール・リャブコ師の記事でも同部隊に所属していた話があったので、それで知ったシステマ練習者もいるかもしれない。
www.ko2.tokyo
日本ではこの特殊部隊について情報が多くないので、簡単に書いておく。

SOBR(Специальный отдел быстрого реагирования;СОБР、ソーブル)は、ロシア連邦国家親衛隊(国家警備隊とも)に属する特殊部隊である。
歴史的にはソ連崩壊後の混乱で増加した犯罪組織を取り締まるための特殊部隊の創設が求められ、1992年2月10日に「戦術作戦支隊」が誕生した。
SOBRはロシアの主要都市に存在し、部隊数は2016年の段階で87部隊あるとされている。
武装犯罪集団の活動の予防及び阻止、違法な武器、弾薬、爆発物、麻薬の押収並びにその拡散の防止を任務とし、対テロ任務も担当する。
同年秋に名称をSOBRとしたが、その後何度か名称が変わったり戻ったりしている。
内務省系の、つまり法執行機関の特殊部隊なので軍の特殊部隊ではない。
このためロシア軍の特殊部隊を専門に扱ったM.ガレオッティ『スペツナズ』には登場しない。

スペツナズ

スペツナズ

Lynx (Рысь、ルィシ)は、SOBRの2003年に全国のSOBRの精鋭を集めて創設された精鋭部隊である。
対テロや組織犯罪対策、武装解除、人質救出などを任務とし、チェチェン紛争にも参加している。他によく知られているのは2002年のモスクワ劇場占拠事件、2014年のソチ五輪テロ対策だ。
山岳・水中・空挺など様々な環境での作戦に対応するため海外での訓練を実施し、多国間演習にも参加している。
部隊名のLynx (Рысь)はオオヤマネコのことだが、日本では語感の都合からか山猫部隊と呼ばれることがある。
なお、ゲーム『メタルギアソリッド3』には山猫部隊というソ連の部隊が登場するが、あれはGRUの架空の特殊部隊なので別物である。
(ルィシを扱ったロシアの番組)
www.youtube.com
拳銃としてオーストリア製のグロックを使うなど西側の製品を一部使用している様子がうかがえる。
格闘訓練としてはコンバットサンボの練習風景が過去に報道されている。
(2:50位から)
www.youtube.com
参考文献:
『イラストでまなぶ!世界の特殊部隊 ロシア・ヨーロッパ・アジア編』(ホビージャパン,2014年)
Специальный отряд быстрого реагирования — Википедия
Рысь (спецподразделение) — Википедия

システマより:ダニール・リャブコ師のストライク

www.youtube.com
ステマのダニール・リャブコ師のローマでのセミナーより。
ストライクと書いたが、これはストライクの練習としての拳でのプッシュ。
ストライクがどのような状態から始まっているかが分かりやすい。
事前に拳を固めず、余計な予備動作を起こしたりもしない。

Chameleon Solutionsの狙撃兵用ハンマーPunch Hammer

soldiersystems.net
Darley Defense Days 2019の展示から。
Chameleon Solutionsは同社のナックル型ハンマー、Punch Hammerを展示した。
ナックルダスターにハンマーと釘抜きが付いたような外見の工具だ。
デザインしたのはChameleon Solutions創設者で元空挺部隊隊員のMartin Lambert氏。
このハンマーはスナイパーの顧客の要望で生まれたものだという。
スナイパーは狙撃のための隠れ場所構築のため組み立てや分解といった作業を行う必要があり、軽量で比較的小さく、騒音が少ないハンマーと釘抜きを必要とする。
この要望に応えてこの真鍮製のハンマー兼釘抜きが誕生した。