Victorinox社のファーマーX登場

knifenews.com
Victorinox社のアルミハンドルのツールナイフ・ファーマーが新しいXシリーズナイフとして登場する。
このファーマーXは、既存のファーマーと異なり、ハサミが加わったモデルとなる。
ナイフ、栓抜き、缶切り、ノコギリ、リーマー、ハサミの構成だ。
ファーマーXは5月25日に発売予定。
メーカー希望小売価格は74ドル。

マグライトを使う教室防衛技術

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マグライトのディスカウント販売の話を知ってちょっと思い出した動画を紹介する。
かつては警察や警備関係でマグライトはよく使われており、ウェポンライトに使う例さえあったが、最近ではそういう例は減った。
このため今となってはマグライトを使う各種技術を教える例も少ない。
上の動画はその数少ない例で、American Tactical Defenseという企業がマグライトを使った訓練を行っている。
動画で紹介されているのは学校・大学の教室でマグライトを利用して銃撃犯に対応するテクニックだ。
マグライトでなくてもできそうだがコストを考えるとマグライトは有力候補なのだろう。

2018年に↓でマグライトを武器として使う技術について短く紹介したが、この動画は記事の後に公開されたのと、ライトそのものを武器として使う内容ではないので紹介していなかった。
machida77.hatenadiary.jp

Crye PrecisionのコンバットユニフォームG4 Hot WeatheとG4 FR発売

soldiersystems.net
Crye PrecisionのコンバットユニフォームG4 Hot WeatherとG4 FRが発売された。
G4 Hot Weatherは暑い環境に対応した軽量・通気性重視のコンバットユニフォームだ。
2つの異なる高強度リップストップ生地を使用し、通気性、伸縮性、耐摩耗性を提供している。
ポケット裏地はメッシュ生地を使い、通風性を高めている。
G4 Hot Weather Combat Shirt™
G4 Hot Weather Combat Pant™
G4 FRは高強度Commando Twill™生地という難燃素材を使ったコンバットユニフォームだ。
G4 FR Combat Shirt™
G4 FR Combat Pant™
Commando Twill™生地の強度についてのデモンストレーション動画が公開されている。
vimeo.com

UF PROのタクティカル・トラッキング解説動画エピソード3

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UF PROのタクティカル・トラッキング技術解説動画の本編第3回が公開された。
今回、元オランダ海兵隊ボリス・ヴォス率いる追跡チームは容疑者の焚火の痕跡やその周辺の痕跡を調べる。
焚火の熱はどのくらい残っているか、何を焚火の燃料としたか、何を処分したか、何を食べたか、そして焚火近くの寝た痕跡、相手の所持する武器の痕跡などから情報を得るている。

過去の動画:
machida77.hatenadiary.jp
machida77.hatenadiary.jp
machida77.hatenadiary.jp

Civiviのクリップポイントとクリーバー型フォルダー

knifenews.com
Civiviから新しくミッドサイズのフォールディングナイフ2種が発売された。
一つはクリップポイントのフリッパー、Dogma
www.civivi.com
もう一つはクリーバー型ブレードのフリッパー、Mini Bullmastiff
なお、Mini BullmastiffはBullmastiffの小型版という意味ではない。
www.civivi.com

ホーボー・タクティカルという流行

Twitterで少し書いた護身術・護身用品の流行についてこちらにまとめておく。
2010年代後半から、北米の護身術ではミニマリズムと言うか、安価で手軽な品を使った技術が流行している。
(それまで存在しなかったわけではなく、その種の技術自体は古くからある)。
安い日用品を護身用に転用して持ち歩くのは、法規制への対応、周囲に警戒されない、費用がかからないといった利点がある。
有名なのはエドカルデロンが広めたフルーツナイフ・コンセプトだ。
エドは安価な果物の皮むきナイフに手製の鞘を付けて護身用に携行し、使用する技術を指導した。
使用するのは下のVictorinoxのシェーピングナイフのような小型・薄刃のナイフだ。
f:id:machida77:20200510212524j:plain:w600
https://www.victorinox.com/jp/ja/p//-/p/6.7503
このナイフを改造し、逆手持ちで人差指がかけやすいようにハンドルの一部を削ること、コード付きのカイデックスシースを作って携行すること、そして護身のための技術を教えたのである。
下は加工例の写真。逆手で刃が自分を向くように持った際に人差指がかかる部分を削っている。
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The (Tactical) Fruit Knife Craze | The Martialist
下の動画はこのフルーツナイフを使うLibre Fightingの技術だ。
www.youtube.com
こうした身の回りの捨てても惜しくない安価な品を護身用に転用する事はhobo tacticalと呼ばれている。
ホーボーは日雇い労働者やホームレスを意味する言葉でWikipediaに項目がある。
ja.wikipedia.org
hobo tacticalは、隠蔽に適した隠しナイフ等のコバート・ウェポンではなく、身の回りの品を咄嗟に武器化するインプロバイズド・ウェポンでもなく、安価な日用品や工具に予め武器に適した改造を加え、携行に適した収納法を用意し、使用技術を訓練しておくものだ。
しかしこうした流行の元にあったDIY精神のようなものは、後々これらのコンセプトの改造品に合わせた専用の商品が発売されるにつれて薄れていった。
例えば小型ポーチに硬貨を入れてブラックジャックに転用するのは専用のHobo Sackという商品になった。
f:id:machida77:20200510214109j:plain:w600
Home | Hobo Tactical
フルーツナイフを武器に転用するのは、専用のナイフL-Viaを産んだ。
f:id:machida77:20200308210340j:plain:w600
Kopis Designs | KnivesShipFree
元は使い捨てても良い安価な品を使うという着想から始まったが、それでも高度化・専門化・商業化からは中々逃れられないのかもしれない。