読書

菊地秀行『ザ・古武道 12人の武神たち』

ザ・古武道―12人の武神たち (光文社文庫)作者: 菊地秀行出版社/メーカー: 光文社発売日: 1996/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見るもう20年以上昔のことだが、『別冊歴史読本』で作家の菊地秀行が古武術取材の記事を書いていた。 この本はそれをまと…

白上一空軒『手裏剣の世界』

この本は、現在では新本は販売されていない。私も近所の図書館で借りて読んだ。 手裏剣の世界作者: 白上一空軒出版社/メーカー: 壮神社発売日: 2007/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 『手裏剣の世界』は昭和51年に出版された手裏剣術の…

ロシアの軍隊格闘技の原点の一つとしての運動生理学『デクステリティ 巧みさとその発達』

デクステリティ 巧みさとその発達作者: ニコライ・アレクサンドロヴィッチベルンシュタイン,Nicholai A. Bernstein,工藤和俊,佐々木正人出版社/メーカー: 金子書房発売日: 2003/07/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るソ連-…

広まってしまったインチキ江戸『江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統』

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)作者: 原田実出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/26メディア: 新書この商品を含むブログ (50件) を見る偽史・オカルト史の著作で知られる原田実氏による待望の江戸しぐさ批判本。 近年、教育の…

武術と天狗と猫『天狗芸術論・猫の妙術』

天狗芸術論・猫の妙術 全訳注 (講談社学術文庫)作者: 佚斎樗山,石井邦夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/02/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る『天狗芸術論』『猫の妙術』は、どちらも剣術の理念、精神面について物語の中の談話に仮託…

「ニセ医学」に騙されないために

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!作者: NATROM出版社/メーカー: メタモル出版発売日: 2014/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (36件) を見るNATROMの日記でおなじみのNATROMさんが本を…

脳の中の身体地図

脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ作者: サンドラブレイクスリー,マシューブレイクスリー,Sandra Blakeslee,Matthew Blakeslee,小松淳子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2009/04/01メディア: 単行本購入: …

結局どれがわかればいいんだ。

英語は副詞だ!―副詞を使いこなせば表現も広がる! (アスカカルチャー)作者: 岩切良信出版社/メーカー: 明日香出版社発売日: 2002/09メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (1件) を見る英語は冠詞だ―冠詞がわかれば、英語が楽しくなる!!作者: …

幕末の剣術修行者の実像が伺える『剣術修行の旅日記』

剣術修行の旅日記 佐賀藩・葉隠武士の「諸国廻歴日録」を読む (朝日選書)作者: 永井義男出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/08/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る時代小説などのフィクションでは、武者修行で他流の道場を廻る武…

管理栄養士養成課程があるウチの大学図書館の料理本貸出ランキング2013

私の勤務先の大学図書館の貸出ランキングから、抜粋した結果をここに出してみる。 公開している貸出ランキングは、講義で指定された資料ばかりランクインするので素のままだとあまり面白くない。そこでランキングから講義で指定された教科書や参考図書は除外…

兵士としての武士を知る『戦国時代 武器・防具・戦術百科』

図説 戦国時代 武器・防具・戦術百科作者: トマス・D.コンラン,Thomas D. Conlan出版社/メーカー: 原書房発売日: 2013/07/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る Weapons and Fighting Techniques of the Samurai Warrior, 1200-1900の日本語…

刀槍から徒手までさらに充実『続・中世ヨーロッパの武術』

西洋の剣や剣術について語るならまずはこれ『中世ヨーロッパの武術』 - 火薬と鋼で紹介した本の続編が出版された。続・中世ヨーロッパの武術作者: 長田龍太出版社/メーカー: 新紀元社発売日: 2013/08/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブロ…

SEALsのローク少佐が語るナイフ

Rorke Denver少佐によって米海軍特殊部隊US Navy SEALsについて書かれた"Damn Few: Making the Modern SEAL Warrior"には任務や銃火器についての話もあるが、ナイフについての記述もあった。Damn Few: Making the Modern SEAL Warrior作者: Rorke Denver,Ell…

大学の勉強になじめない学生のための5冊

大学図書館で司書をしていると、一年の冒頭から講義や大学生活になじめない学生とも話す機会がある。そうした学生は学生課の職員や相談役になる先生の世話になる場合もあるが、さしあたってノートの取り方や発表、レポートといった課題に必要なスキルについ…

『「呼吸」を制するものは勝負を制す』と月刊空手道

「呼吸」を制するものは勝負を制す 達人シリーズ第十二巻 (BUDO-RA BOOKS 達人シリーズ 第 12巻)作者: フル・コム出版社/メーカー: 東邦出版発売日: 2013/01/24メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見るようやく読…

青空文庫のお勧め 高村光雲『幕末維新懐古談』

書こうと思っていた話がうまく書けなかったので、本の話を書こう。 紹介するのは青空文庫でも読める 高村光雲『幕末維新懐古談』だ。 青空文庫 作家別作品リスト:高村 光雲 幕末維新懐古談 (岩波文庫)作者: 高村光雲出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/…

バッタ博士の脅威の本『孤独なバッタが群れるとき』

昆虫大学で買ってきた前野ウルド浩太郎氏の本が期待以上に面白かった。 孤独なバッタが群れるとき « 大学出版部協会 この本は売れると思うので、書店員の人は目を付けておいたほうがいい。 まずこの帯の文句が凄い。 その者、群れると黒い悪魔と化し、破滅を…

西洋の剣や剣術について語るならまずはこれ『中世ヨーロッパの武術』

昨日今日と仕事の予定が激変。半端な時間に空きができた。 2ヶ月前に読んだ本の紹介をしよう。 今回紹介するのは『中世ヨーロッパの武術』中世ヨーロッパの武術作者: 長田龍太出版社/メーカー: 新紀元社発売日: 2012/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー)…

ラーメンと愛国

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)作者: 速水健朗出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/10/18メディア: 新書購入: 5人 クリック: 371回この商品を含むブログ (95件) を見る 速水健朗氏の待望の本『ラーメンと愛国』が出版されたので、早速購入してきた。 この…

Bootleg vol.2 Love Storyを読む

今日は文学フリーマーケットに行き、映画評の同人誌、Bootleg vol.2を買ってきた。 今回のテーマは「愛」。 私はろくに恋愛映画を見ないので、なじみのない話になるかと思ったがそうでもなかった。 以下、各記事の感想を。

『東方香霖堂』と『ヘルボーイ』愛蔵版を購入

土曜も仕事で格闘技の練習に行く時間がとれない。 忙しい中時間を縫って東方香霖堂』と『ヘルボーイ』愛蔵版を購入してきた。 『東方香霖堂』 東方香霖堂 ?Curiosities of Lotus Asia.作者: ZUN出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2010/09/…

Bootleg vol.1 DYNAMITE!を読む

先日は文学フリーマーケットに行き、映画評の同人誌、Bootleg vol.1を買ってきた。 黒人映画特集ということで、前回と変わって大きなテーマを設けたのが最大の変化だ。 また、深町秋生、速水健朗という強烈な二人の書き手も加わった。 以下、各記事の感想を。

フードファディズムの基本形は変わらない。『食と栄養の文化人類学』

ポール・フィールドハウスの『食と栄養の文化人類学 ヒトはなぜそれを食べるか』(1991年, 中央法規)という本がある。かなり以前に食品会社の図書館での仕事絡みで読んだことがあったのだが、最近食養MLでの投稿集(2)にはてなブックマークがついていて改…

ただの数学パズルの本かと思ったら違った!『考える本』

以前、ある図書館で小林泰而『考える本』(岩波ブックセンター、1986)という本を見かけた。 「はじめに」によると、著者は学校の校医で、病気で休んだ人に薬を渡す際に簡単な問題を宿題として出すことで休んだ損を取り返してあげようとしてきたのだという。 …

ダン・ブラウン『ロスト・シンボル』と水からの伝言

『天使と悪魔』、『ダヴィンチ・コード』に続き、美術と宗教と科学、そして陰謀論をベースとしたラングドン教授シリーズの第3作の邦訳がとうとう発売された。ロスト・シンボル 上作者: ダン・ブラウン,越前敏弥出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2010/03/03…

Bootlegの感想を書いた

先日購入した映画評の同人誌、Bootlegの感想を。 コピー誌『WE DID IT!』 侍功夫さんによる同人誌発行までの苦悩と皮算用の日々がつづられている。あと執筆者の自己紹介とか。 深町秋生先生にゲラを送ってあとがきにする予定だった旨が書かれているのもこち…

江戸時代のゴキブリ

先日、ブックマークコメントに次のようなことを書いた。 machida77 いや、江戸時代の『和漢三才図会』なんかでもゴキブリは害虫扱いですよ。糞を残し、米や麹室を喰い荒らすので、対策も油紙で集める・カワラニンジンで遠ざける等ちゃんと考えられていました…

マクガバン・レポートの真実

マクロビオティックや代替療法の記事では、1977年に報告されたアメリカの食生活指針・マクガバンレポートで「元禄時代以前の日本の食事」を理想としたという話がしばしば紹介されている。その真相を追うシリーズの第3回。 マクガバン・レポートに関するメモ …

マクガバン・レポートを巡る伝説

マクガバン・レポートに関するメモ (追記あり) - 火薬と鋼の続編。 本来まともな報告であったマクガバン・レポートがトンデモ健康法の世界で歪められている件について、前回はメモとして書いてみた。 今回は参考になりそうな資料にあたって更にその伝説―真実…

『おかしな科学 みんながはまる、いい話コワい話』を読んで

おかしな科学―みんながはまる、いい話コワい話作者: 菊池誠,渋谷研究所X出版社/メーカー: 楽工社発売日: 2009/07/01メディア: 単行本購入: 23人 クリック: 327回この商品を含むブログ (34件) を見る 父にも読ませてみた。本筋の部分は誰かに任せて枝葉の部分…