米軍の軍隊格闘技の現在

 軍隊格闘技、近接格闘技術について言及しているブログを見ていて不思議なことがある。米軍の格闘技の中核はブラジリアン柔術であるが、その事がほぼ無視されているのだ。それと、日本で有名なものが軍隊格闘技の主流であるかのように思っている人が多いが、実際にはかなり多様である。
 さて、日本で知られていない一例として上述の現代の米軍の軍隊格闘技について紹介しよう。
 現在の米軍の格闘術(Combatives)は「グラップリングレスリングとブラジリアン柔術」「打撃はボクシングとムエタイ」「ナイフ、棒はフィリピンや西洋の武術」というのが基本だ。そして最も重点的に教えられるのはテイクダウンや絞め技、そこからのエスケープなどグラップリング技術である。
 で、どういうスタイルになるかというと、下記URLで米軍の全陸軍格闘術トーナメントの動画を見ることができるので見て欲しい。
http://www.militarytimes.com/projects/flash/combatives/
 総合格闘技そのものである。
 ここから総合格闘技のプロの世界に行った人間もいる。そうした背景があるため海外の格闘技雑誌にCombativesについての記事もあり、Webでも色々な視点や考察があって面白いのだが、日本では軍隊格闘技と総合格闘技の分析はそれぞれ別個になされていることが多く考察に拡がりがない。日本では、日本で有名な特定の軍隊格闘技の話とそれに関連した伝統的な格闘技の技法の有効性の話ばかりだ。