ダガーナイフ規制の実態と今後

 ダガーナイフの定義の難しさ - 火薬と鋼のフォローアップエントリ。
 銃刀法改正にあわせて警察庁のサイトにhttp://www.npa.go.jp/safetylife/seikan51/ssb_akb.htmが公開されている。
 以前書いたダガーナイフの形状に関連する情報は、<剣の該当性判断>の剣の意義剣の刃渡りの測定方法の項目にある。
 以前のエントリとこの警察庁の情報、それとナイフ業界の人間が代表して警察庁に確認した情報を元に、規制される形状、規制されない形状について解説していこう。

規制のポイントは、「左右均整」と「ダブルグラインド」

 今回の銃刀法改正で規制される剣(剣状のダガーナイフを含む)とは、詰まるところ輪郭が左右対称のナイフで、左右対称にグラインドされているものである。
 こうした形状の刃物は、エッジ付けされていないものでも規制対象となる。
 また、おおむね左右対称のダブルグラインドのナイフ…波刃であるとか、片方のグラインドが刃体の途中までしかないものも一定の長さであれば規制対象となる。
 ただし、生活で使われる道具として定着している両刃の刃物は規制対象からはずされる。

規制されない左右非対称のナイフ

 以前のエントリで判断が分かれるとした左右非対称のダブルグラインドのナイフは、今回は規制対象とならないとされた。
 例えばラブレスのファイターのようなナイフは認められるという話がカスタムナイフメーカーに伝えられた。
 推測だが、左右非対称のものまで取り締まるとすると、どの程度まで取り締まるかを判断、確定するのが難事だからではないだろうか。
 以上の情報から考えると、これまで許容されてきたダブルグラインドのナイフは、左右対称のダガー以外ほとんど許容される。
 しかし、どの程度まで許容の幅があるかは実際に運用されないと分からないと思われる。
 例えば左右対称からどの程度離れれば許容されるのだろうか。
 また、左右非対称ならダブルグラインド・ダブルエッジでも本当に許容されるのだろうか。
 恐らく警察が問題視し、あるいは裁判にまでならないとそうした細かい部分は決まらないと思われる。
 程度の問題だが(例えば左右対称に近く、ダブルエッジで先端の輪郭が鋭いものは規制されることになる可能性もある)、若干のグレーゾーンは残っている。