疑似科学、ニセ科学やトンデモネタに興味がある人なら、EM(有用微生物群)についても知っていると思う。
EM菌 まとめ(仮) - 妄想科學日報に情報がまとまっている。
EMはもともと農業の世界から発祥したものであるため、農業や環境の分野で使われてきた。
最近では水質浄化のためという名目で自治体や学校教育で使われている、というのがよく知られている。
しかし実態としては農業や環境だけではなく、幅広い分野にEMは進出している。
その一つがペット用品としての利用である。
これを見ると、EM製品を飲食や洗浄などに使うと、健康改善や臭い対策の効果があるとされている。
ペットなんて、別に健康でも排泄物は臭うし、人間に都合が良い効果が選択的に出ているようで腑に落ちない。
それと「ダニの抑制」「繁殖率の向上」「ストレスの緩和」なんて、EMの当初の理屈からだいぶ離れているのでは。
例によって効果の測定とかしてないのではないかと思うが、一部では普及しているらしい。
「ペット EM」などで検索すると、上のようなショップの情報や利用している飼い主の情報がみつかる。
犬猫どころか魚や昆虫を含めあらゆるペットに使えることにされている。
こうして見ると分かるが、とにかく人間にとって良い効果を何でも促進する、というイメージがEM製品にあるようだ。
猫の事例の「レンジは必要悪」「トルマリン系」などの語から、この飼い主は電磁波有害論やマイナスイオングッズにもとんでもないレベルではまっているのではないかということが伺える。
一部のトンデモ製品には、とにかく人間に都合よく働く何らかの媒体やエネルギーがある、という考え方がある(逆に何にでも悪影響を及ぼす悪のエネルギーみたいなものが想定されていることもある。例えば放射能や電磁波に対する危険視が甚だしい一部の層は、そういう思考をしている)。
波動やマイナスイオン、あるいは月刊ムーの広告に掲載されているような商品にもそうしたものがある。
EMの認識や利用も、そのレベルにまで達しているのかもしれない。