フラッシュライト・テクニック

VIDEO: Tactical Flashlight Techniques
 Tactical-Life社のWebサイトで拳銃とフラッシュライトを同時に使う4種類のテクニックを動画で紹介している。
 こうしたテクニックは、警察や軍、警備の世界では必須のものだ。
 銃に装着するウェポンライトの普及とともに相対的に重要度は下がっているが、海外のドラマや映画でもこの種のテクニックが使われているので、気にして見ると面白い。
 動画の紹介に合わせてそれぞれのテクニックについて解説してみよう。

Harries

 現代のライトと銃のコンビネーション・テクニックの祖とでも言うべきHarries flashlight techniqueと呼ばれるテクニックは、故Michael Harriesによって生み出された。
 Michael Harriesは海兵隊出身のシューターで、コンバットシューティング競技やインストラクターとして有名だ。
 このテクニックでは、
(1)ライトを逆手に持つ
(2)銃を持つ手・手首を、ライトを持つ手の甲・手首で下から支える
 この2点を基本とする。これにより、ライトは自然と銃口と同じ方向を向き、同時にライトを持つ腕が銃を持つ腕を安定させる。
 また、大型のライトでも銃を持つ腕に依託することでライトのほうも安定させることができる。
 長所は安定性、短所は即応性である。
 具体的な欠点として、このポジションに移行する際、ライトや腕が銃口の前を横切って危険になる場合がある。
 位置関係で死角が生じ、不利になる状況もある。

Surefire

 FBIのBill Rogersが生み出したテクニックを元にフラッシュライトのファクトリーとして最も有名なSurefire社が作ったテクニック。
 このためRogers/SureFire flashlight techniqueと連名で書かれることが多い。
 このテクニックでは、
(1)ライトを人差指と中指の間に挟む
(2)銃を持つ手をライトを持つ手で包む
 この2点を基本とする。
 これにより、通常の両手持ちに近い感覚で銃を操作することができる。
 また、マガジンチェンジなども比較的対応しやすい。
 欠点として、小型ライトにしか使えないという事がある。また、即座にこのスタイルに構えるのは難しい。

Modified FBI

 Modified FBI techniqueは、上二つの技法とは違い、ライトを銃から離して上方に構えるテクニックだ。
 ライトを逆手で構えるのがポピュラーだが、順手で持ってもよい。
 上二つの技法ではライトがシューターの中心近くにあり、敵に正確に自分の位置を教えてしまう。
 しかしこの方法ではライトを体から離しているため、その問題は少なくなる。
 またライトを自由に動かし、広い視界を確保したり、自分自身を照らし出したりすることも可能だ。
 欠点として銃やライトの安定性は削がれることになる。

Neck Index

 Nech Index techniqueは、Modified FBIのようなライトと銃を離す技法のオプションである。
 この技法では逆手にライトを持つ腕をたたみ、ライトを耳の下、顎付近に添えて構える。
 Modified FBIのようなスタイルからライトを安定させ、ライトを視線に近づけ、標的を照らし出す際に使う。
 また、構えるのが容易で即応性が高いので、即座に構える際にも適している。
 ライトを打撃武器として使う場合も、このスタイルのほうがやりやすい。
 欠点として、ライトが銃を照らすため、光が反射して銃のサイトが見えにくくなることが挙げられる。


 この他にもいくつもの技法や改良がある。
 よく知られているものはhttp://www.nrapublications.org/si/HB_handgun.htmlで写真つきで紹介されているので、参考にしてほしい。
 どの技法にも有利・不利があり、状況によって使い分けできることが望ましい。