意外と知らない!? 仕事に役立つタクティカルペンの使い方

(注:タイトルは釣りです)
話題のタクティカルペンについて書いてみよう。タクティカルペンについては先月の下の記事で知った人もいるかもしれない。
銃器メーカーが作った「護身用ペン」|WIRED.jp
今回は、意外と知られていないこのタクティカルペンの用法について書いてみよう。

知っている人は知っているタクティカルペンの事情

護身用具としてペンを使うという試みは、かなり以前からあった。これは普通のペンを武器として使うものだ。こうしたペンのような15センチ程度の短い棒を武器として使う技術は、歴史的にはもっと遡ることができる。
日本を発祥とするものではクボタンや柔術などの古武術で使われた「手の内」「寸鉄」と呼ばれる護身具・暗器(隠し武器)があり、中国には峨嵋刺・点穴針・判官筆といったものがある。この他に東南アジア(特にフィリピン)武術にデュロ・デュロというものがある。



現在のタクティカルペンもこうした護身用具の技法が想定されている(車からの脱出用ツール、ウインドウブレーカーとして使えるとされることも多い)。タクティカルペンは、純粋な護身用品と比べ、一応ペンとしての体裁をとっているため、携行や飛行機内持込などで規制を受けにくいと考えられている。このため9.11のアメリカ同時多発テロ事件以降にナイフや銃器の製造会社によるものを中心に多くのタクティカルペンが発売された。

タクティカルペンをどう使う?

タクティカルペンが護身用具としてどこまで有効かについては議論があり、格闘技指導者の間でも意見が分かれている。実際、ペンは武器としてはあまりに短く、正面きって戦うには難しい武器である。緊急時、咄嗟に使う事が想定されている。
タクティカルペンに限らず護身用品の有効性を考えるのは難しく、銃やナイフでも様々な意見が存在する。議論する上で踏まえておかなければならない問題の一つは「例え死に至るような傷を受けても、反撃できる場合がある」という事だ。
人間は、苦痛や深い傷を受けても、即座に行動不能になるとは限らない。これは、ナイフや銃弾の効果についての事例研究でしばしば語られてきた問題である。一般的なイメージでは即死してしまうような傷を受けても反撃できた例がある(反撃後に死亡する事が多く、場合によっては共倒れとなる)。この事から敷衍して、タクティカルペンのような護身用具を使う際も、反撃を受けないように相手を直ちに無力化するには相応の攻撃部位の知識・使用技術を要すると考えられるわけだ。
一方、相手を無力化するのに有効な技術には、正当防衛どころか過剰防衛になりそうな用法が含まれている。あくまでペンだという事で純粋な護身用品と扱いは変わるかもしれないが、現実に対処する際にどこまで判断できるかというと難しいだろう。
いずれにせよ伝統武術を起源としたタクティカルペンの用法は物騒なもの・高度すぎて現実に使うには難しいものもあり、「護身として有効なのか」と「護身として過剰ではないか」という二つの面を考えておく必要がある。その辺を通り越してふた昔前の映画みたいな英雄願望(妄想)に酔っていると、下手をすると自分のほうが危ない人である。

仕事で使うタクティカルペン

ライフハック記事っぽいタイトルを無理につけたのでこんな項も立てたが、仕事で使うなら普通のペンのほうがいい。