ロシア軍特殊部隊用ナイフ "カラテル"とダガー規制

上の記事を公開して3人からこのナイフが銃刀法で規制されるダガー(剣)ではないかという懸念の表明があった。
短期間で3人から、ということは、同じ疑問を持つ人は潜在的にもっといるのではないだろうか。いい機会なのでダガー規制について解説しておきたい。


平成20年の秋葉原殺傷事件を受け、平成21年1月5日に刃渡り5.5cm以上の剣が所持禁止となる改正銃刀法が施行された。
その際、下記のような資料が作成され、またダガー・剣=両刃というイメージもあって、両刃のナイフが規制されたように勘違いされているふしがある。
http://www.npa.go.jp/jutoho/jutoho_akb.htm
しかし改正銃刀法で規制されることになった剣・ダガーは、両刃のナイフというわけではない。
より詳しくは銃砲刀剣類所持等取締法の改正内容についての「剣の定義」に記載がある。ここで重要なのは「左右均整」という点である。
左右均整であれば両刃でなくとも規制され、左右均整でなければ規制されない。具体的には、ナイフ業界の人間が警察庁に確認をとった結果から、次のようなナイフは規制されないとされている。
・ラブレス・ファイター(Loveless Knives | R.W. Loveless | Battle Knife例:ラブレス・バトルナイフ)
・AL-MARのSOFアタック(http://www.jerzeedevil.com/forums/showthread.php/44651-AL-MAR-SERE-SOF-ATTACK-IV紹介例)
・MERC WORXのナイフ(Mercworx 公式サイト)
このように、左右非対称の輪郭であれば問題はないとされた。カラテルもこうしたナイフと同様、左右均整とは言えない輪郭をしているため、合法と考えられる。税関でも開封・チェックされたが無事通関している(ただし税関の判断=警察の判断というわけではない)。
しかし、業者には警戒してこの種の両刃のナイフ全般の販売を停止したところも多いし、税関では時に警察よりもチェックが厳しく、通関できないこともある。このため、この種のナイフの販売は全体としてかなり減っている。