南極のピラミッドという定番のネタへのメモ

本来ピラミッドがないはずの地域にピラミッドがある−まるで『エイリアンVSプレデター』のような話だが、オカルトめいた話題が好きな人中心にこの種の記事が出回ることがある。最近またその手の記事が流れた。
この種の超古代文明といった話は、たまに追ってみると捏造や強引な解釈の作りこみの雑さに飽きてきて「もっと手の込んだネタを作れ」と言いたくなることがある。今回もそうだった。


南極大陸で古代ピラミッドが3つ発見される?(国際共同探検チーム) : カラパイア
マジか!? 南極で古代のピラミッドが3つも見つかったと研究チームが発表!! | ロケットニュース24


今回のこの件の出所は、たちが悪い捏造が多いサイトだ。前に話題にした400万年前の地層からみつかった機械という嘘ニュース - 火薬と鋼と出所は同じ。
今回のものは、2枚目の画像があっさり特定されている。


http://www.mountainguides.com/wordpress/2010/12/01/vinson-antarctica/vinson-team-at-camp-1-2/


元の画像は2010年、南極大陸最高峰のヴィンソン・マシフを登山したチームによる写真。
参考に近い角度からの写真も紹介しておく。


Summit Day: South Pole Expedition | Sultan of Snow's Blog
Vinson Dispatch: December 8, 2010 – Off to the Summit We Go


3枚のうち1枚の出所が特定されたことで、研究チームの発見だの発表だのといった話がまるっきりの嘘だったことが明らかになっている。
他の写真の出所は特定されていないが、1枚目の写真は2枚目の峰の別角度の写真のようだし、3枚目が自然の造形という可能性も高いだろう(海外ではフェイクだという人もいた)。
「南極でピラミッド発見」は何度も繰り返された定番の嘘ニュースで、もうニュースタイトルを見ただけでフェイクだと思っていいニュースだ。