至近距離で困った時のライフハック・拳銃で人を殴れ

ウチではもはや定番の話題の一つ。困った時に使える技を紹介しよう。そこらのライフハック記事ではちょっと紹介されていないテクニックだ。

近すぎる距離での銃

一般に、近接戦闘で相手に銃を捕まれるほどの距離だと、銃を持っている側が有利になるとは限らない。
例えば屋内の戦闘で、物陰や角に隠れた相手が飛び出してきていきなりこちらの銃をつかんだらどうなるか?
あるいはナイフを持って襲い掛かってきたら?
こうした時に対処する技術は、軍や警察の特殊部隊向けに研究・訓練がなされている。以前書いたナイフと銃を同時に構える技術 - 火薬と鋼もその一例だ。
米軍特殊部隊向けの格闘技Special Operations Combative (SOCP)では至近距離の相手をコントロールし、銃が使える体勢や距離を作る技術が教えられている。
ステマだとSonny Puzikasらが相手をコントロールして撃つ技術を教えている。

クラヴ・マガだと下の動画のような技術がある。

こうした技術は、至近距離で撃つ技術と組み合わされて練習されている。

銃を撃つのではなく銃で打つ

今回紹介するのは、至近距離で撃てるようにするための技ではなく銃を打撃武器として活用するものだ。
ライフルでも何でもこうした技術はあるが、今回は拳銃の例を紹介する。
元とする記事はMichael D. JanichによるArt of the Pistol Whip – Personal Defense Worldだが、例によって全訳はしない。
なお、この種の銃を使った打撃技は他でも教えられている。


基本となる注意点は次の3つ。

'70年代の刑事ドラマ・映画ではよく銃身のほうを握って相手の頭部や首を銃のグリップで殴って気絶させるという描写があった。
しかしこの方法だと銃口があらぬ方向を向いてしまい、暴発した際に危険性が高い。
銃のグリップを握って殴る場合も強く握り締めてしまい、暴発する可能性がある。
アクションの全てにおいて銃口が安全な方向を向くように注意しなければならない。

  • 銃を壊さない。

銃による打撃は、銃に悪影響をもたらさずに相手にダメージを与えるべきである。
そうすれば打撃を与えた後でも敵や敵の仲間を撃つことができる。
これは、銃のグリップで殴らないもう一つの理由であり、特にポリマー製マガジンやマガジンプレートを備えた現代のポリマーフレームピストルに当てはまる。
また、バレルの下のエジェクター・ロッドが露出しているタイプのリボルバーでバレルの下側で打撃を行うと、作動不良を起こす可能性がある。

  • トリガーに注意する。

戦闘中に暴発する可能性が高いため、トリガーに指をかけないように注意すること。
これをうまく実行する方法の一つとして、人差し指をトリガーガードやフレームに沿わせるのではなく、他の指と一緒にグリップを握る(完全にトリガーガードの外に置く)という技法もある。


この3つの基本を踏まえると、銃による打撃で使うのは銃口または、スライドやフレームの上側で打つということになる。
元となった記事では左の手のひらを眉の位置まであげて、右手の銃は右胸に沿わせるように持ち上げている。
これでパンチを打つように銃で相手を突くのだ。
通常の射撃の反動を受け止めるためのグリッピングがそのまま打撃のためのグリッピングとして機能する。
オートの拳銃の銃口で相手を突くと、スライドも相手に当たって後退し、撃てないタイミングができるという批判がある
(それにあわせてマズルガードとして後付パーツも販売されているがメジャーではない)。
一例 Tactical Systems and tactical field gear for law enforcement, military and the civilian community
しかしスライドが影響を受けるのは一瞬で、相手を銃口で押し続けていない限り、すぐ撃てる状態に戻るので問題はないという意見もある。
上の記事でもそのように説明されている。


このパンチのように打つ攻撃方法以外に、金的(睾丸)を銃で打つという技もある。
この場合、ストレートに殴るのとは違って弧を描くように下から銃で相手の股間を打つのだ。
銃口を下に向け、肩から手・拳銃までをムチのように使って打つ。
上の記事では紹介されていないが、接近した状態では相手のこめかみをスライドのエッジ・角で打つという技法もある。
(拳銃で突くのではなく打ち付ける技術をピストル・ウィップと呼ぶ)
いずれにしても銃で殴っただけで戦闘終了になるとは限らず、次の打撃や射撃に移行しなければならない事も想定しなければならない。


以上の技術は、実銃で行うのは危険なのでゴム製のブルーガン等を使って相手がいる状態で練習したほうが良い。
銃口の方向とトリガーには常に注意を払い、自分の身につけた格闘技術にあわせた形での適応を考えるべきだろう。
この技術を身につければ貴方の生存確率は上がること間違いなしだ。