福島出身の東京都民が雪かきのコツについて書いてみる

東京の雪はかなりの量で、9日も雪かきの必要がある。
今より雪が積もった時代の福島県福島市に住んでいた私が雪かきについて書いておこう。

道具

(1) 衣料品
上に着るのはできれば防水性があるコート・ジャケット。防寒のための衣料(セーター等)と防水性のある服を重ね着する。
降雪がなければ防水性は厳密に考えずとも何とかなるが、濡れる可能性は考えておくべき。
庭木・街路樹など上方向から積もった雪を落とす(あるいは風で落ちてくる)場合には首に雪が入らないようなマフラーやネックウォーマーを着用すること。
帽子は防水性があるものが望ましいが、ニット帽のように防寒性を重視したものでも良い(降雪状況によっては前者を重視する)。
体を動かして汗を書くので、下着は速乾性や保温性が重要になる。木綿製よりはスポーツ用や登山用の化繊・ウール製のもののほうが良い。速乾性や保温性に優れた下着がない場合、休憩時間での着替えを想定したほうが良い。
重要なポイントは「動きやすさ」「防水性(特に降雪が続く場合)」「保温性」「汗や蒸れへの対策(アウターウェアなら透湿、ミドル・インナーウェアなら速乾)」を考えること。アウトドア用の冬季衣料が良いが、そういう衣料がない人は着替えや重ね着で対処する。


(2) 足まわり
防水性があり、足首以上の高さをカバーするブーツやゴム長靴が望ましい。アウトドア用などの滑りにくい靴底のもののほうが良い。
また、編上のブーツは靴紐の部分に雪が挟まりやすく、足を冷やしやすいので、小まめに雪を落とすなどの注意がいる。その場合は登山用のゲイター、スパッツのように靴の上部から脛までをカバーするものがあればベスト。
靴下も保温性に優れたものがあったほうが良い。


(3) 手袋
防水性があるものが望ましい。軍手など防水性がない手袋は内部が濡れてきたらすぐ交換すること。あまり厚さがあると作業しにくいので、ちゃんとスコップを握れる程度の厚さの手袋が良い。


(4) 雪かき用具
・雪かき用スコップ
ヘッドがプラスチック製のものは耐久性・運搬能力が低いので、アルミ製か鉄製のものにすること。特に凍結した場合にプラ製は使いにくい(逆に言えば凍結の心配がないならプラ製でも良い)。鉄製よりアルミ製のほうが比較的軽量で扱いやすい。鉄製は丈夫で、凍結した場合に砕きながら雪かきするのにも適している。

朱鷺 アルミ角スコップ (角スコ)

朱鷺 アルミ角スコップ (角スコ)

また、通常のグリップ以外に補助グリップがついているものがある。これは腰を痛めやすい人に向いている。あまり売ってないが。
Wハンドル パワースコップ(雪かき用スコップ)

Wハンドル パワースコップ(雪かき用スコップ)

スノーダンプ
スノーダンプは広い平面での大量の雪かきに適している。私道・駐車場など広い場所で除雪する人に特に向いている用具*1。様々なサイズのものがある。かなり積もる地域の人向き。
・ほうき
竹箒など屋外用の長いほうきは、軽い積雪、スコップでは動かしにくい狭い場所の雪かきに適している。

作業

(1) 準備
まず気象情報を確認。降雪や風がひどくなる時は注意し、作業を避ける。
準備体操はできるだけしたほうが良い。そして雪かき後の入浴や着替え等の準備もしておく。
長時間作業の場合には休憩(暖房、温かい飲料や補給食)の準備もする。
(2) スケジュール
・多く積もってから作業するより少量の時から数回に分けて作業する。
・雪を除く箇所と移動した雪を置いておく箇所を決めておく。
・作業する時間を決める。一回の雪かきで一気に終わらせようとせず、1回30分〜1時間の作業を数回行う。
(3) 除雪作業
・樹木や電線などから雪が落ちてくることがある。上方に雪が積もる物がないか事前に確認する。風が吹いたら特に注意。気温の上昇で溶けて落ちてくることもある。
・雪かきのスコップ、ダンプで雪のブロックを切り出すように雪を乗せ、雪を置く場所に投げる。
・方向を決めて一方向に向かって雪かきを進めていく(あるいは左方向+右方向など2種類の方向を組み合わせる)
・雪かきの際はとにかく腰への負担を避け、背中を真っ直ぐにすること。姿勢を低くする場合には足を開いたり曲げたりして腰を落とし気味に。
・凍結している箇所や雪が固着している箇所は、スコップや棒で横から叩いて割る。横から叩けないほど平べったく固まっている場合には真上からスコップを何回か落として細かく砕く。
・ほうきは軽い積雪に対して使う。
・お湯を使って雪・氷を溶かすのは、かなり狭い範囲の少量の雪に対してしか有効ではない(窓・雨戸の桟など)。
・雪かきで移動した雪が周囲の邪魔になるほど多く、なおかつ早く溶けなくても問題ない場合には雪を踏んだりスコップで叩いたりして押し固めて小さくする。

作業後

・雪かきの道具は、その後も雪かきがある場合は取り出しやすい場所に置く。
・暖房・着替え・入浴など、体を冷やさないように手立てを講じて休息する。


ぶっちゃけた話をすると、都内の今回程度の積雪ではここまで挙げた事柄全てを気にしなくとも何とかなる。しかし作業効率の良い除雪用具と雪に耐える靴は必須。

*1:都内の積雪量だとラッセルのほうが便利かもしれないが、使ったことがないので何とも言えない