フィクションにおけるナイフ格闘のリアリティとリアルおまけ 映画の優れたナイフ格闘シーン紹介 - 火薬と鋼から随分経って材料も増えたので、再び映画のアクションシーンに登場する優れたナイフ格闘について紹介、解説する。
例によって映画のネタバレ、流血シーンを含むので注意。できれば動画だけでなく映画本編も見てほしい。
あまり知られていない映画からそこそこ有名な映画まで、公開年順に書いていく。
『Antikiller』(2002年 ロシア)
この映画はロシアの警察特殊部隊を中心とした映画で、後にシリーズ化している。
日本未公開。日本で発売されたDVD『アンティ・キラー』はこの映画の続編『Antikiller 2』なので注意。紛らわしすぎる。
相手の脚を切る攻撃、帽子を使った牽制など、変則的な技術も使って攻撃を当てている点が見所。
真正面から戦うだけがナイフ格闘ではないという良い例。
なお、ロシアものだがシステマやサンボは関係ない。
『SPL 狼よ静かに死ね』(2005年 香港)
犯罪組織と警察の戦いを描いた映画。
映画では珍しい伸縮式警棒対ナイフのアクションシーンだ。
ここで警棒を持つマー刑事(ドニー・イェン)とナイフを持つ殺し屋のジェット(ウー・ジン)はそれぞれ武器の特性を活かして戦っている。警棒は長さで勝り、ナイフは殺傷力で勝っている。
ジェットは逆手に持ったナイフを防御に使ったり、相手に引っ掛けたりしている。また、ナイフの持ち手を切り替えるといったアクションもある。一方、マーはナイフが絡んでも膠着状態を作らず、警棒の長さも活かしている。
下の動画は画質が悪いがこのシーンのメイキング映像。このアクションの大変さが伝わる。