フィリピンにおける身体技法の実践と言説に関する文化人類学的研究 : 武術「アーニス」を事例として

フィリピンにおける身体技法の実践と言説に関する文化人類学的研究 : 武術「アーニス」を事例として
こんな学位論文があった。
フリピン武術アーニスについて、その集団の特性と力に対する観念について研究した論文だ。残念ながら要旨のみで全文は読めないが、「武術」としてのアーニスと「スポーツ」としてのアーニスについて、マスター(指導者)の力と権威の面から考察した論考は興味深い。
この論文によると、マスターは単なる技術指導者ではなく、伝統的武術知識の継承と実践によってスポーツ化したアーニスとの差別化を図る意味を持つようになり、段位制度はマスターの力を高める側面があるとされている。
また、組織的に分散した後継者達が、先のマスターとの紐帯意識を持ち続けるというのは日本の武術でもありそうな話である。
日本の武術についてこの種の研究をした人がいないかどうかが気になった。