ロシア武術紹介シリーズの区切りと今後のためのメモ

先月から続けてきたロシア武術シリーズだが、以前まとめたメモが尽きたので、これ以上書くためには一から調べなおさなければならない。つまり次回以降は未定ということになるので、ここを一つの区切りとする。システマ諸流の派生団体については簡単に書けるが、これはこれで書くことがあまりないので、どうしようかは後で考えよう。
これまで書いたことに関連して気になったことをメモとして書いておく。

  • 旧ソ連-ロシアの空手規制について。

ロシアの空手(あるいは空手派生)団体のサイトを見ると、旧ソ連では空手に対する規制があったことが書かれている(ソ連刑法第219条1項 違法な空手練習)。この規制は90年代になくなるのだが、その間も非公然に空手の指導・練習をする人はいたようだし、スポーツとしての空手も続いていた。この規制が生まれた経緯と、どの程度規制が厳しかったかがよく分からない。

  • ロシアの伝統武術研究について。

これまで紹介した武術の多くは地域や民族の伝統とのつながりを強調している。科学に基づいた説明が多いカドチニコフ・システマにしてもスラヴ伝統舞踊が段位認定試験にあるし、カドチニコフは軍学校でロシアの伝統武術を学んだと言う。この辺はサンボの成立史にも関わる話だ。第一次世界大戦第二次世界大戦期に欧州の軍で中世の武術(レスリングやナイフ術)が研究されたことを連想させる。ではソ連-ロシアでの伝統武術研究の材料になった資料や伝承はどのようなものか。

  • ニコライ・ベルンシュテインについて。

カドチニコフが参考にした運動科学者ニコライ・ベルンシュテインについては本を注文中。