「小説家になろう」中国武術用語ランキング試行版

「小説家になろう」登場武術ランキング2016 - 火薬と鋼に関連して中国拳法・中国武術の用語を少しだけ調べてみた。何分中国武術の知識があまりないので、試行だけで終わると思う。

  • 検索実施日時は2016年6月19日午後9〜10時。
  • Googleのサイト内検索を用い、site:ncode.syosetu.comで検索した。これにより「小説を読もう!」も検索している。
  • 検索キーワードの用語は中国武術に関連しそうな語で思いついたものを入れた。
  • キーワードは二重引用符""で囲ってフレーズ検索を行った。

順位

順位 名称 件数
1 気功 2440
2 発勁 589
3 功夫 91
4 震脚 85
5 寸勁 84
6 浸透勁 76
6 化勁 76
7 套路 75
7 勁力 75
8 絶招 71
9 軽功 66
10 外功 65
11 軽身功 64
12 内功 58
13 練功 53
14 聴勁 51
15 馬歩 47
16 北派 35
17 散打 32
18 内家拳 31
19 纏絲勁 25
20 立禅 20
21 暗勁 19
22 沈墜勁 18
23 推手 17
23 南派 17
23 站椿 17
24 弓歩 16
25 架式 15
25 拝師 15
26 外家拳 12
26 鉄砂掌 12
27 擒拿 11
28 圧腿 9
29 十字勁 8
30 腿法 5
31 長器械 2
32 放鬆 1
33 短器械 0
33 明勁 0

まとめ

  • 1位の「気功」はやるまでもなく分かった。武術用語以外の用例もあるし、オーラ等と同様、便利で使いやすいワードなのだろう。
  • 2位「発勁」も予想できた。
    • かなり便利に使われる語になっていて、異世界、ファンタジーものでも登場する。
    • 発勁」として扱われる技は様々で、「特別な技術を用いた威力ある攻撃」であれば何にでも使われている。
    • 中国武術とほとんど関係ない登場の場合でも中国武術発勁の説明を元にしていることが多い。魔法と組み合わせるとか、派生したものが多彩である。
    • 表に入れなかったが、よくある誤り「発剄」は74件、「発頚」は5件である。
  • 「震脚」も中国武術から離れた用例が含まれる。「強く踏み込めば攻撃の威力が強い」程度の理解が多い。
    • とにかく踏み込みで硬い地面や床を派手に壊す作品が多い。強さを表現しやすいのだろう。発想としては『エアマスター』の八極拳の震脚描写と近い。
  • 寸勁」「浸透勁」など、特色・メカニズムを(適切などうかはともかく)説明しやすいと思われていて単体で技として登場させやすい語はよく使われる。
    • 化勁」などにも言えることだが、このランキング上位の用語はVRMMOなどのゲームのスキルとして登場する作品もかなりある。震脚レベル〜、化勁レベル〜のように単体で獲得・実行できる技能として扱われている作品が複数見られる。
    • 意味が変容していることもあって、例えば「聴勁」について「気」を使ったエコロケーションのような技術にしている作品が複数ある。
    • 「明勁」が全く登場しないのに「暗勁」が19件もあるのは、暗勁だけが特別な技として認識されているからだろう。
    • 「勁」だけで検索すると1,270件もある。
  • 「絶招」や「立禅」も中国武術と離れた用例が含まれている。
  • 套路」などの順位からある程度推測できるように練習の説明が出る作品は結構ある。
  • 「軽功」「軽身功」は武俠小説のそれらと同じように便利な扱いでよく登場する。「内功」等の用語も武俠小説のほうの用例をイメージしてもらったほうが近い。
  • 今回調べたような用語は、現実の中国武術の解説を借用した説明が多い。創作・ファンタジー色が強い説明がされている例もあるが、そうした例にも現実の説明とミックスしている作品は含まれている。
    • このため、現実の世界の中国武術の概念や技術の説明によくある不備や偏りは、ネット小説の世界での説明にもそのまま見られるようになっている。