システマの誤解のパターンについて

先日の『ジョン・ウィック:チャプター2』で再びシステマ登場というデマ - 火薬と鋼に関連する話。
映画『ジョン・ウィック』や続編『ジョン・ウィック:チャプター2』についての記事でシステマについて触れている記事は、システマの知識自体間違っているものがある。同様の間違いは映画と関係ない方面のシステマに言及した記事やネット小説にも見られる。
恐らくネットを情報源にシステマについて語ると似たような誤解をしやすい。
こうした誤解・間違いの出所は、システマをほぼ経験していない人が書いた記事やYouTuberの動画が元にある。
特によく見る3種類の誤情報について書いてみる。

他のロシア武術の動画との混同

関連がないロシアの格闘技を全部ミハイル・リャブコ師の「システマ」だと勘違いしている記事やYoutubeの転載動画は多い。
なぜそんな間違いが出てくるかというとロシアには「システマ」と名前についている格闘技が数多くあるからだろう。
その一部はロシア武術紹介シリーズまとめ - 火薬と鋼に書いた。
この辺のややこしさは簡単に検索しただけではわからないため、全くつながりがないロシア格闘技を混同している例はよく見る。
例えば「システマ」と「システマスペツナズ」を同じ格闘技であるかのように紹介している記事をよく見るが、「システマスペツナズ」とミハイル・リャブコ師の「システマ」とは関係がない。
また、名前にシステマとついていないロシアの格闘技をシステマと紹介している記事さえある。

ロシア軍全員、あるいはスペツナズ全員がやっているという誤解

これも以前書いた気がするが、システマは全兵士・全隊員が訓練する格闘技ではない。
しかしロシアの軍隊格闘技という説明から、ロシア軍の全員が訓練している格闘技と理解してしまう人は多いようだ。
この誤解はネット小説でよくみる。

技術や原理の解説

ステマの技術の特徴や原理について紹介している記事には結構な割合で間違いがある。
他の武術経験者や全くの未経験者がシステマの動画の技術解説をしている記事が検索でみつけやすいからだ。
これは昨年問題になったキュレーションサイト問題と同じである。
ステマについて検索するとシステマ・インストラクターの文章ではなく、ブログやまとめサイトのいい加減な記事が上位に来る。特に他の武術経験者は何となく専門的らしい語を使うので、内容が的外れでも信用されることがある。
こうした文章を転載したり真似したりする人がいて、間違いが広まっている。