『前九年合戦絵巻』に見る組討と短刀

「前九年合戦絵巻」(詳細画像 前九年合戦絵巻
Twitterで短刀の用法について話題になっていたのでこの絵巻を思い出した。
この『前九年合戦絵巻』は宝暦14年(1764)に模写されたもので、遡ると国立歴史民俗博物館本系のもの。大元の絵巻は鎌倉時代製作ということになる。
リンク先の部分は絵巻の終わり近くで首を掻いている姿が2つも描かれていて興味深い。



前九年合戦絵巻より

特に一つは馬上組討で使っている(「景通」とあるので源頼義の郎党・藤原景通)。2例とも短刀を逆手に持っている。
なお、この例から平安後期〜鎌倉時代に短刀は逆手で使うのが普通だったと言いたいわけではない。順手持ちの例も他で見たことはある。ただ、こうした絵巻の例も用法を考える上である程度考慮に入れていいと思っている。