忘れられがちな日常の武器・護身用矢立

先日、以下のようなやりとりがあってまとめが作られた。
『日用品だと言い訳できる武器』、その発達の歴史 - Togetter
これを読んで思い出したのだが、昔の携行筆記用具である矢立も護身用に作られたものがあった。
一応Wikipediaの項目wikipedia:矢立でも武器としての説明はある。
良く知られている例では、富山の薬売りは護身用の矢立を持ち歩いたという。

この矢立で変わっているのは、管の部分が六十センチくらいもある長いのがある。これは明治に入って廃刀令が出たところから、それまで武家並に帯刀したりしていた売薬人たちが、道中脇差代りにこのような特殊な矢立をつくって、差して歩いたのである。むろんこれは旅で危険に会った場合の、護身用の矢立である。護身用武器としては維新当初には、一時木刀を差して歩いたこともある。
玉川信明『反魂丹の文化史 越中富山の薬売り』(1979年、晶文社)より)

また、たまに時代小説でも護身用の矢立が登場することもある。
武器に使う矢立は大ぶりで丈夫に作られたものか、仕込みがついてくるものだ。
なえし・十手のように敵を打ち据える短い棒として使うか、仕込まれた武器(大抵は細い小刀)を使う。
中には変わったものがあって、鎖分銅と鎖が仕込まれていて変形して鎖鎌になる矢立があった。


https://www.pinterest.jp/pin/343610646564077090
http://antikvariat-japan.ru/component/virtuemart/view/productdetails/virtuemart_product_id/1279/virtuemart_category_id/4.html

これは実用として作られたかどうかはともかく面白いアイディアだ。