アウトドアで使われるバンクラインについて

バンクラインについて要望があったので書いておく。
近年、ブッシュクラフト等のアウトドア用にバンクラインという撚り糸を使うことを推奨する動画や記事をよく見る。
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有名人ではアメリカのアウトドア番組で知られるデイブ・カンタベリーが熱心にバンクラインを推奨している。
特に著作の『ブッシュクラフトの教科書』はバンクラインへの言及が多い。

このバンクラインとは、ナイロンの撚り糸にタールで黒くコーティングを施したものだ。
日本ではあまり知られておらず、最初からブッシュクラフト用に輸入されたものくらいしか見ない。
しかし本来は釣り用品・漁具の一種で、流し釣り糸として使うものだという。

流し釣りの例
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Survival Fishing Trotlines (With Examples) - AimCampExplore

バンクラインのバンクとは銀行ではなく流し釣りで使う岸や土手の意味である。
このバンクラインが耐候性・耐水性・耐摩耗性があり、細くて強度があるのでアウトドアの様々な用途に使えるということで人気なのである。
バンクラインには、さまざまな直径と強度がある。
パラコードは550ポンド(約250kg)に耐えるが、#36のバンクラインは320ポンド(約145kg)、#12のバンクラインは100ポンド(約45kg)に耐える。
アウトドア用としては特に#36が人気だ。
こうしたバンクラインは多くの用途で十分な強度であり、パラコードよりも細くて場所を取らず、安価で手に入りやすいという点が優れているとされる。
また他の特性として、パラコードは濡れると水が浸透して水分を含んでしまうが、バンクラインは水分を保持しないという長所がある。
バンクラインの表面には粘着性のあるタールの薄い層があり、結び目を保つ効果があるが、わずかに匂いとべたつきがある。
バンクラインとパラコード、アウトドアで両方持っていって使い分けているという人もいる。
もっとも日本では限られた店、通販くらいでしか流通していないで、入手しやすさという点ではアメリカと同じようにはいかないかもしれない。