金沢文庫特別展「兼好法師と徒然草 ─いま解き明かす兼好法師の実像─」


今日は久しぶりに神奈川県立金沢文庫に行った。
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学生時代に図書館史の講義の一環で来た時と京急沿線で仕事をしていた時の2回来た事があるがいずれにしろ10年以上過去の話だ。
しかし10年経っても道を覚えているものである。
今回は特別展「兼好法師徒然草 ─いま解き明かす兼好法師の実像─」が目的だ。

有名な随筆『徒然草』の作者・兼好法師の来歴は、鎌倉時代後期に京都・吉田神社神職である卜部家に生まれて六位蔵人、左兵衛佐として朝廷に仕えた後、出家して徒然草を書いたということになっていた。
しかし現在では称名寺金沢文庫古文書の分析から、鎌倉幕府の執権を後に務める金沢貞顕の右筆である無位無官の兼好の史料が確認され、若いころは鎌倉・金沢で活動していたことが明らかとなった。法師となってから京都にいたことは確実だが、元殿上人や吉田神社の吉田家の先祖という話は後世作られた虚像だとされている。
こうした研究については中公新書の小川剛生『兼好法師 徒然草に記されなかった真実』(中央公論新社, 2017)で解説されており、今回の特別展も金沢文庫文書の研究が元になっている。

持っていった本を手に撮影。

展示目録
内容としては兼好法師の金沢の右筆時代や法師となって京都で歌人として活動する実像に関する様々な文書、兼好法師に関わった人物や徒然草に登場する人物・事物に関する史料、後世の徒然草の様々な形態の本・絵画作品が展示されている。