練馬区立美術館「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」

公式サイト:本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション | 展覧会 | 練馬区立美術館


今日は練馬区立美術館「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」に行ってきた。
タイガーボードでお馴染みの吉野石膏のコレクションからの展覧会だ。
中世の時祷書などの彩飾写本、ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレス、リュシアン・ピサロのエラニー・プレスの本を中心に美麗な本とそうした出版物に関わった画家の作品を展示している。
出版物史に興味がある人にお勧めの展覧会で、本だけでなく写本製作のための写字台や顔料など関連する物も展示されており、山羊・羊・牛の羊皮紙を実際に触る事ができる(羊以外を羊皮紙というのはおかしいので厳密に言うと皮紙だが)。
物の展示では1901年に作られたという鎖付き聖書と書見台のミニチュアが素晴らしい。
中世に教会などにこうしたchained libraryがあり、その再現模型のようなものだが、ミニチュアながら小さな書見台の本は実際に読めるように作られている。
展示は海外の貴重書だけでなく日本の書籍や挿絵とそれに関連した絵もある。
例えば渡辺省亭の作品と『省亭花鳥図譜』、鏑木清方の作品と泉鏡花鏑木清方挿絵の『式部小路』といったように江戸~近代の様々な本と絵があった。
また、暮らしの手帖社が出していたぬりえと原画・テスト画も展示されており、それを見て梅原龍三郎小磯良平らがぬりえの本を出していたことを知った。