国立近代美術館「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」

コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ - 東京国立近代美術館

1930〜1970年代の戦争に関するメディアと記憶としての絵画、ポスター、出版物等を展示している。
国立近代美術館は普段もコレクション展示として戦争絵画を数多く展示しているが、今回はそれをはるかに超える内容と量で、昭和史と戦争芸術に興味があれば必見の内容だった。



戦場を描いた作品だけでなく関連するテーマも扱っている。
「朝鮮・満州観光のまざなし」「満州・中国観光と戦争」というテーマで絵画だけでなく旅行パンフレットの展示もあり、帝国日本の観光が扱われている点、文学や漫画、音楽、絵葉書といった幅広い題材を展示している点、女流美術家奉公隊の作品展示を扱っている点が特に良かった。
戦場を描いた絵画以外に婉曲に,あるいは間接的に戦争の影響を描いた作品もある。
この辺は説明ないと分かりにくい。松本竣介《並木道》、靉光《自画像》、福沢一郎⦅牛⦆、リウ・カン⦅古い通り⦆などがそうで、靉光《自画像》の事情については新関公子『東京美術学校物語』で知っていた。
また、戦後の記憶としての戦争やベトナム戦争、沖縄、戦記漫画、少年雑誌の戦記ブームなど、戦後の様々な作品も多く、企画展示は280点もある。さらに所蔵作品展や新収蔵&特別公開でも企画展に関連する作品が多いので予想よりかなり時間がかかった。もっと注目されていい展覧会だ。