板橋区立美術館「焼絵 茶色の珍事」

焼絵 茶色の珍事|板橋区立美術館

板橋区立美術館「焼絵 茶色の珍事」へ。
熱した鉄筆や鏝の焼き目で絵を描く焼絵の展覧会。
現代の作品、江戸時代の焼絵、朝鮮の烙画、中国の線香で描く烙画が展示されていて技法の特殊さとそれぞれの国、時代による違いも分かる。
茶色の美というテーマはそうそう観る機会は無い。
江戸時代の作品と朝鮮の作品が特に多く、それぞれの同時代の絵画を踏襲しつつも焼絵の特色が出ている。
江戸の焼絵は大名や家老が重要な絵師でもあるという点でも興味深い。
単色の濃淡で描写する絵画という点では水墨画に近いが、水墨画と違って長いストロークはなく、細かさや柔らかさに秀でている。
朝鮮の烙画は山水画・花鳥画で南画のようだ。火を扇ぐ芭蕉の葉から破れた芭蕉の葉の印があるのは面白い。
一方で中国の烙画は線香の火で描く線画主体で描線に特色があった。
現代の作品は大正~昭和に作られた焼絵羽子板、絵本作家として知られる猫野ぺすか、電熱ペンやはんだごてで描く辻野榮一の作品が並ぶ。
焼絵羽子板は強度の点で古くからの泥絵羽子板に勝っていたもので、かつてはかなり作られていたようだ。
猫野ぺすかの作品は焼絵に彩色してあるもので猫や山羊などの動物の毛の表現が素晴らしい。
辻野榮一の作品は一般的な絵画表現では見られない生命感ある輪郭や表面、あるいは濃淡や凹凸が特徴的だった。