2009年11月27日にオバマが地球外生命体について発表するという情報が今年の10月に流れた。
長年秘密にされてきた友好的な宇宙人の情報が公開される、というのだ。
この情報の発信元は陰謀論や超科学などの情報発信を行っているProject Camalot。
ここが発信している情報は超能力、チャネリングがソースになっている(この時点でツッコむべきだろう)。
http://lightworkers.org/node/89657 その動画
最近の陰謀論や超科学などのパラノーマルな話題はこうした動画、ブログを介して広まっている。
日本でも陰謀論者のベンジャミン・フルフォードがこの件について話題にしていたので思った以上に知られている。
どのような予想(というか予言)の情報が流布したかについては、翻訳と原文が読めるBLESSED BLISS - FC2 BLOG パスワード認証がお勧めだ。
Richard Hoagland(火星に人面岩があると最初に主張したので有名な人物)がLCROSSの月面衝突実験で水がみつかった件を古代遺跡の発見にしている点も見逃せない。
こんな予想がはずれるのは明らかなのだが、やけに信じている人がいるのであった。
何せ私が所用で行った大学で工学部の学生がこの件について語り、それを聞いていた学生も信じるという光景を見たほどだ。
この件はWebの情報を見ると実に多分野のパラノーマルな話題と複合して取り上げられていた。
基本には矢追純一のUFO番組のようなレベルの「アメリカ政府は宇宙人やUFO*1を隠している!」という主張がある。
さらに宇宙人やUFOの存在を別の陰謀(ユダヤ陰謀論とか秘密結社とか)と絡めていることも多く、この情報は9.11陰謀論などの多くの陰謀論を好む人々が話題にしたのであった。
そして21日、22日にあるとされた事前の暴露もなく、27日になっても(当然)オバマ大統領の発表はなかった。
この情報に反応した人々のリアクションは、よくある予言がはずれた際の反応と変わらない。
ある者は発表が先送りになっただけだとし、ある者はオバマも陰謀の手先だから発表しないのだとし、ある者は圧力や陰謀のせいだとした。
http://www.asahi.com/science/update/1127/TKY200911270372.htmlといった情報と絡めて当ったことにしている人もいる。元の情報と内容が全然違うぞ。
こうして陰謀論やパラノーマルな世界に染まった人は、予言がはずれるという失敗を目にしても自分の認識を修正しないという事例がまた一つ増えた。
多分今後も宇宙探査の調査結果が発表されるたびに一部の業界ではこの件との関連が囁かれることだろう。
*1:もちろんここではエイリアン・クラフトの意味