http://alfalfalfa.com/archives/385452.html
こんな記事があった。
このような「早撃ち〜秒」というのは、銃の技量を示すものとしてフィクションで時折使われている。
例えば次元大介であり、ゴルゴ13だ。
皆さんはこういった「早撃ち〜秒」という数値を見て、どう計測したものと思うだろうか。
ファスト・ドロウの速度
上掲の記事で紹介されているのは西部劇スタイルの早撃ちで、ファストドロウ(fast draw)と呼ばれる。
現実の西武開拓時代にああいった格好の早撃ちがあったわけではなく、モチーフは西部開拓時代だが「西部劇の」といったほうが良いロマン化された競技だ。
ファストドロウでは、腰に下げたホルスターにシングルアクション(一発撃つ前にハンマーを起こす必要がある)リボルバーを入れ、ワックスか空包の弾を撃つ。
この説明でカンの良い人は分かるだろうが、この競技では撃つ前にハンマーを起こす動作が必要なのだ。
射手は手を下げ、信号を目視して信号が変わったら銃を抜き、ハンマーを起こし、撃ち、そして弾が当るまでの時間を測っている。
この時間は、ワックス弾を使うワックス競技であればメタルターゲットの着弾時の音で計測する。
空包を使うブランク競技では、発射炎で風船を撃ち、その破裂を感知するセンサーで計測する。
(この計測方式や競技のレギュレーションは時代によって違うため、元動画のボブ・マンデンは現在のワールドレコードのリストに載っていない)。
アニメ、マンガの早撃ち
これに対して、フィクションの設定としての早撃ちはこうしたファストドロウと違う。
特殊なシチュエーションの中での計測か、あるいは単に数字だけ設定されているものがほとんどだ。
ゴルゴ13のような架空の人物の場合、ファストドロウとはホルスター、銃、シチュエーションがまるで違っている。
ストーリー中の計測にしろ設定だけにしろ、基本的に彼らの場合、彼らが日常使っている装備(拳銃はシングルション・リボルバーではなく、ショルダーホルスターなどで隠し持っている)が使われている。
また、抜き撃ちの動作のどこからどこまでの時間を計測しているのかもファストドロウとは違う。
こうしたフィクションの速度とファストドロウの速度を比較するのは、スーツに革靴で路上を走る速さとトラックを走る陸上選手の速さを比べるようなものだ。
元動画のボブ・マンデンのような、伝説と化した人の能力は尋常ではないのだが、数字だけ取り出してフィクションの人物と単純比較しても凄さは分からない。