化粧品メーカー"日本初"! 国連から「特別功労賞」を受賞 プレスリリース【健康美容EXPO】
こんな報道があった。商品説明を見ても国連が賞を贈るようなものなのか理解できなかった。
それと、エビデンスからかけ離れた代替療法で同じ名前の賞を受賞した例を前に見たことがあったので、下のようなブックマークコメントをつけた。
その賞を出しているのは国連ではなく各地に無数にある民間組織のUnited Nations Associations。国連と紛らわしいのでその賞はどうでもいい製品や個人の権威付けにも使われている
しかしリソウの公式のhttp://www.risou.com/media/special_prize.htmlにある画像を見ると、United Nations AssociationsではなくUnited Nations Systemとあった。私の勘違いだったのだ。しかし過去の記憶に引っかかるものがあったので、調べてみた。
Research Council The United Nations Systemの功労賞
調べると今回のリソウと同じ賞をナミリスという企業の南木政人氏が受賞している。
総合テクノロジーバンク・ト店舗・住宅・レーラーハウス・建築・設計・防犯・省エネ・太陽光::総合テクノロジーバンク・ト店舗・住宅・レーラーハウス・建築・設計・防犯・省エネ・太陽光
こちらは盾ではなく賞状のようだが組織名称も賞も同じだ。
Research Council
The United Nations System
Citation of Special Merit
とある。この賞に関する説明を引用しよう。
国際連合 国連の顕彰 DR南木政人:国連の顕彰楯(CITATION OF SPECIAL MERIT)特別功労賞を工学博士で株式会社ナミリスダイナミックバンク代表取締役CEOの南木政人が平成22年に授与されました。特別功労表彰(Citation of Special Merit)は、国連の3つの賞のうちの一つで、他にはLetter of Appriciationがあります。Letter of Appricationはマザー・テレサ、アルベルト・シュバイツアー博士が授与されたものです。DR南木政人が受賞したCITATION OF SPECIAL MERITはそれにつぎ、2番目に権威のあるものだそうです。その他にCertificate of Recognitionがあります。国連からは株式会社ナミリスダイナミックバンクとDR南木政人の地球環境への取り組みや健康増進商材などを評価されました。
日本人でこの賞をいただいたのは、5人しかいません。大変名誉な事です。
この権威の部分が謎だ。
権威があるにしては検索しても該当する例が(海外でも)ない。また、一番権威があるというLetter of AppriciationはLetter of Appliciationの誤記だろうが、これだとただの感謝状の意味に思える。権威の根拠がわからない。
そしてもう一点。何よりわからないのがこの賞を出したのは国連のどういう部署なのかということだ。
United Nations Systemというと国連の特定部署というより国連組織のネットワークを指すのが普通だがResearch Councilがつくと一層わからなくなる。本当に国連内の組織なのだろうか疑問符がつく。
United Nations Associationの特別功労賞
最初に私が勘違いしたのは民間組織のUnited Nations Associationが同じ名前の賞を出していたからだ。例えば以下のような例がすぐにみつかる。
坂戸西診療所 – Sakadonishi Clinic for Whole Health Promotion健康推進クリニック坂戸西診療所の矢追博美氏の受賞
http://www.k3.dion.ne.jp/~hado/pg195.html 浄波良法の松本光平氏の受賞
なお、矢尾氏の賞の説明は上掲のナミリスとまったく同じでスペルミスまで同じ。コピペだろう。授与している組織が違うのに同じものであるかのような説明になっている。この辺の混同を見ていた事が私の勘違いの原因だと思われる。また、民間組織であるはずなのに国連扱いしている点も見過ごせない。
ここまで来ると、世界各地にあるNGOのUnited Nations Associationと同じ組織なのかも疑わしくなるが、同組織である可能性もある。いくつかのUNAの公式サイトを調べたが、参考になりそうな情報は無かった。これだけではUNAによる賞なのかどうかも断定できないが、少なくとも権威のある賞として知られているものではない。
海外のWebサイトを見ても健康商品販売で賞をもらっている例があり、日本の例と状況が似ている。
http://biomatforhealth.com/popesblessing.html 海外の例。バイオマット
このような例がいくつかあり、恐らく一定の手続きや寄付で賞がもらえるのではないかと推測される。もしそうだとすれば社会文化功労賞と似ている。そう言えば今回紹介したリソウも南木氏も松木氏も社会文化功労賞の受賞者である。それ以外にも似たような名前だけの賞を並べている。
不完全ながらもまとめ
ここまでの事例を見ると、United Nations Systemの賞とUnited Nations Associationの賞はよく似ている。受賞者は学術的・社会的に高い業績を上げているわけではないのに賞を贈られており、他にも名目ばかりの賞をもらっている。
いかんせん確定的な判断材料に乏しいのだが、この段階でもある程度今回の賞の実状と権威というのは推し量れるのではないだろうか。
だが、授与した組織についての不明点が気になので、折を見てまた調べてみたい。
(追記)
リソウの受賞のニュースのブックマークコメントに情報があった。
日米医学研究財団が国連の特別功労賞を授与するという触れ込みで寄付を集めているようだ。ディプロマミルのホノルル大学との関連も伺えるが、社会文化功労賞と違って情報が少ない。とにかく国連と関係のない賞である可能性が極めて高くなった。