謎の生物・爆発蛇の情報を追う

爆発蛇

 id:Hiraiさんのはてブ経由で爆発蛇というUMAの情報を見た。
http://page.freett.com/Umania/explosion.snake.worm.html(ゆーまにあ)
 ロシアのカルムイキア共和国には叩くと爆発して消滅する蛇に似た生物がいるという話だ。蛇に似ていると言っても骨がなく、顔もないという。この突拍子もない情報から考えると、未確認動物学(cryptozoology)が扱う未確認生物の中でも信憑性が低い部類に入る。あまり日本で紹介されていないようなので、元ネタを追ってみた。
 まず、日本語で他に解説しているところ。
UMAファン ~ 未確認動物エクスプローディング・スネーク
 日本語の情報はほとんど共通しており、この情報を英訳して検索してみた。

アニメに登場した爆発蛇

 真っ先にみつかったのはアメリカのコミック・アニメのThe Secret Saturdaysに登場しているという情報だ。
 Kalmykian Snake | The Secret Saturdays Wiki | FANDOM powered by Wikia
 この作品は未確認生物を題材に扱っていて、色々な未確認生物を番組に登場させている。このアニメで登場した爆発蛇は、カルムイキアに住む緑や紫の蛇の皮膚が爆発することになっている。見た目は蛇そのものであり、前述の日本語サイトの紹介している顔のないイモムシのような情報とは違う。蛇という名前に合わせたのだろうか。

元ネタらしき報告

 更に調べるとThe beasts that hide from man : seeking the world's last undiscovered animalsという未確認動物学の本に最初の情報源らしい報告が載っていた。

The Beasts That Hide from Man: Seeking the World's Last Undiscovered Animals

The Beasts That Hide from Man: Seeking the World's Last Undiscovered Animals

 まとめると以下のようになる。
・1997年6月6日、ロシアの未確認動物学者コフマン博士(Marie-Jeanne Koffmann)からMichel Raynal宛てに書かれた手紙が初出。
・その未確認生物は、カルミク人に「灰色の短い蛇」と呼ばれている。
・長さ60センチ(20インチ)、直径15〜20センチ(6〜8インチ)で滑らかな灰色の皮膚を持つ。
・前端は丸く、後端には短い尾がある。骨は全くない。
・棒で叩くと爆発し、直径1メートルほどのスライム、グリース状の痕跡を地面に残して消える。
・Koffmannは、この生物はゆっくりと動き、ミミズのように振舞うと信じているが、カルミク人にはそれを肯定する人も否定する人もいた。
・顔の形状に関する言及はなかった(しかしコフマン博士は、僅かなバリエーションの中に口に関する描写があったとしている)


 恐らくこの報告が現在伝わっている爆発蛇の情報源だろう。コフマン博士は、未確認動物学では知られた人物だが、報告内容が現実にあった事かどうかとなると信憑性の程はかなり怪しい*1。同書でも爆発蛇はモンゴリアン・デスワーム(Allghoi Khorkhoi)同様に信憑性が低く、現代科学では無視されるとされている。

*1:コフマン博士はロシアのビッグフットことアルマスの研究で知られる。