今日は完全にシステマ練習者向けの話をする。
またシャシュカ(コサック・サーベル)のトレーニングソードをあつらえた。
今度は中国武術の練習で使われる刀をベースにシャシュカにあわせた柄を作ってもらった。
海外では鋼(炭素鋼orステンレス)の刀身で刃がついていないシャシュカやサーベルのレプリカがあって、システマの練習でも使われている。しかしこれは銃刀法に引っかかる可能性が高く、日本に輸入することはまずできそうにない。
このため、日本ではデニックス社製の亜鉛ダイキャスト刀身のシャシュカを使うか、木刀を使うことになる。デニックス社製のものは比較的安価だが(8,400円〜13,125円)刀身の強度に不安があり、木刀はそもそもちょっと違うものだ。
システマの練習で使うなら、トレーニングナイフと同様にアルミでできたトレーニングソードとしてのシャシュカがあればベストだ。そこでトレーニングナイフと同じように専門のメーカーに依頼したり自分で図面を引いて金属加工業者に発注したりした。それぞれ以下のエントリで紹介している。
シャシュカ・トレーナー - 火薬と鋼
シャシュカ・トレーナー ver.2 - 火薬と鋼
シャシュカ・トレーナー ver.3 - 火薬と鋼
試行錯誤した結果、比較的練習に耐える形状のトレーニングシャシュカができたが、とにかくコストがかかる。ロシアで作られたシャシュカのトレーニングソードもあったが、これも輸入のため送料がかかった。何より柄が鋼鉄製で重量があるため、長時間の練習ではなかなかつらい。ロシア製のシャシュカについては以下のエントリで紹介した。
ロシアのジュラルミン製シャシュカ - 火薬と鋼
余談だが、海外で練習用にシャシュカ型の木刀を製造・販売している人もみつけた。ただし問い合わせても返答がなかった。
こうして様々な試みを行ってきたが、とにかく新規で作るのはコストがかかる。既製品の加工か流用で済ませるほうが安価になるのではないか。そこでデニックス社のシャシュカの部品にアルミ製の刀身を付けることはできないか、あるいは似た形状の刀剣のアルミ製の刀身を探し、それにシャシュカ型のグリップをつけられないかという道を模索した。
前者は結構金がかかることが分かり、後者の方法で専門の業者と相談して中国武術で使う練習用刀剣を加工するという道を選んだ。これでかかったのは13,000円+送料。金額としては決して安くはないが、手間と出来を考えるとコストパフォーマンスは良い。加工前の既製品の鞘と刀袋もついている。
刀身は硬質ジュラルミン製で薄刃の片刃。刀身には溝(樋)が加工されている。
刃はついていないが切っ先はやや鋭いので、練習の際には注意が必要だろう。
鞘や柄は木と真鍮の金具で作られている。
柄は板材を貼り合わせたもので、刀身の茎はネジ留めされている。
この柄は長さもあり、手の小さい人向けではない。業者と相談すればもっと短いものや細いものも可能かもしれない。
今回のシャシュカは既製品の流用のため、完全再現というわけではない。手に合わないという人もいるだろう。同じものが欲しいと言う人はよく検討してからにしてほしい。