しばらく前から父が料理を作る機会が増えた。
と言っても月に1〜2回、しかも同じ料理を何度も作るのだが。
料理に対する適性が全くないわけではないようだが、色々と引っかかるポイントがあって、それが世間の自炊初心者にどれだけ該当するのかが気になった。
ちょっとまとめてみよう。
買い物
まず、料理を作る際に料理本なりレシピなりを参照するというのは父もやっているし、よくあることだろう。だが、食材の購入について同じ本で手引きしている例はそうそうない。それだけが原因でもないだろうが、食材の量、価格、知識といった要素について、父はよく母や私とはだいぶかけ離れた感覚で買ってくる。
・量
多く買いすぎる。保存がしやすく使い回しのきく食材であれば多く買ってもあまり問題がないとか、消費期限が短く使い回しのきかない食材は買いすぎないとかいった事を考えない。
・価格
やたら高いものを買ったり、安いからといって味の悪いものを買う。これは量の問題とも絡んでおり、「品質が劣っていて保存がきかない食材を安いからといって大量に買う」という複合技になることもある。
・知識
例えば鶏肉のムネ肉とモモ肉の区別をつけずに買うといったこと。食品の細かい選び方についての知識がない。保存の知識もこれと関わる。
献立
父は単品の料理を目標とするため(丼ものなど)、献立というものを考えない。これは、一回の食事内容に留まる問題ではなく、残っている食材や他の食事の内容を考慮しないという事にもつながる。
調理技術
調理技術は、調味や加熱など味に関わる部分が注目されがちだが、家族の食事を作る上で重要なのは時間とレシピの応用だろう。特に調理時間の短縮や時間の管理は重要で、これは複数の調理や家事などを処理する上でもあったほうがいいだろう。また、レシピの応用は、食材や調味料を他のもので置き換えるとか、調理法を変える(電子レンジの使用など)といったものを指す。
父の場合はそれ以前に料理できるものが少なすぎて、食材があっても使えない。
こうしてみると自炊はかなり有機的に絡み合った要素で成り立っており、自炊や家事を解説した本でもフォローできていない部分がかなりあるようだ。
自炊云々というより家事能力のような話になっているが、実際この辺の調整がうまくできないと時間も金もかかる。