図書館総合展の「“武雄市図書館”を検証する」

第15回図書館総合展に行ってきた。
今回は「“武雄市図書館”を検証する−ニュースとなった〈武雄〉から〈公共図書館界〉がみえてくる−」(公式)を聞いた。
パネリストは
佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏、
慶應義塾大学文学部教授で私の大学・大学院の恩師である糸賀雅児氏、
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社プロジェクトリーダー高橋聡氏、
コーディネーターは湯浅俊彦氏(立命館大学文学部教授)。


これまでの報道の中には糸賀先生が武雄市図書館の現状について肯定的ととられるような記事もあったが(糸賀先生を知っている身としてはメディアによる編集を疑うほど)、今回のフォーラムではかなりつっこんでいた(あれでも甘いという人もいるかもしれない)。
糸賀先生の指摘は、図書館としての各スペースと利用の実態についての話が中心。
「目的外使用のスペースが多く、図書館資料が使われず、スタバで雑誌を読んでいる利用者が多い」として「図書館」と呼ぶ施設ではないという指摘。公設民営ブックカフェと。今後についても「来年春の市長選での現市長当選が前提」とバッサリ。まあ、あの市長のワンマンで進んでいる話だから、あの市長が続くかどうかが図書館運営に影響するのは間違いないだろう。糸賀先生は他にも色々と問題点を指摘していた。
糸賀先生による図書館のあり方としての指摘内容に武雄市長とCCCの高橋氏が気色ばむ場面がいくつかあって、公共性・公平性や持続性といった図書館に必要な側面はつっこまれたくない部分なんだろうな、というのはよくわかった。(あのキレっぷりからすると、今後武雄市長が糸賀先生を攻撃する可能性は増えたと思う)


しっかりとはメモをとっていないので細かいところは他の人の記事待ち。


(2013-10-31追記)
武雄市長・樋渡啓祐氏による記事が公開された。
http://archive.is/z8Mmp
「糸賀慶應大学教授が概ね良いことは仰るんだけど、ディテールがひどくて、というか、嘘ばっかり」と、私が予想したように糸賀先生を攻撃。どこが嘘なのかの具体的な指摘はない。多分今後もこの種の発言をするだろう。