フランスの対テロ部隊GIGNのナイフ2種

フランスの対テロ特殊部隊GIGNのナイフを紹介していなかった。
どちらもアメリカのタクティカル・ナイフやコンバット・ナイフとは異なった珍しいデザインなので紹介しておこう。
一つは大型フォールディング・ナイフGlauca B1。


http://www.extremaratio.com/glauca-b1.html


イタリアのExtrema Ratio社が製造するGlauca B1は同社とGIGNのコラボレーションで誕生した大型フォルダーだ。
開いた状態の全長27cm、ブレード長11.2cmと、軍採用としてはかなり大型のフォルダーで、ブレードを出したままの状態で専用シースに収納できるようになっている。
鋼材はN690ステンレスで厚さ4mm。表面は黒色酸化皮膜処理。ブレードの先端形状は鈍角で直線的な独特の輪郭になっている。
ライナーロック方式。ハンドル下端にガラスブレーカーとなる突起が備えられているほか、ハンドル後部にプラスチック手錠を切る機構がある。


もう一つはフィクスト・ナイフWING-Tactic。


http://www.wildsteer.com/en/fixed-blade/13-wing-tactic.html


フランスのWildsteer社が製造するWING-TacticはGIGNとの共同開発で生まれた個性的な形状のコンバット・ナイフだ。
全長27.5㎝、ブレード長12.5cm。コンバット・ナイフとしてはやや短い部類に入る。
ナロータングでハンドルはクラトン製。ハンドルにはランヤード用に上下2か所に穴がある。
ハンドル下端のバットキャップ部分はガラスブレーカーとなる突起になっている。
ブレード下部の特徴的な切り欠きは専用工具と組み合わせて2.5㎜径までのワイヤーを切断することができる。
鋼材はX50CrMoV15ステンレス。厚さは先端近くで5.2mm、ハンドル近くで9.8mmもある。
ブレード先端のタントー型に似ている鋭い形状は刺し貫くための工夫である。
標準のシースはベルト装着用・MOLLE対応キット付で、オプションとしてダイバー用(ラバーストラップでウェットスーツ用)やヘリ用(下腿装着用)シースもある。