武術・武器知識のアップデートは創作に遅れて出てくる

  • しばらく前に二刀流や刀剣のよくある誤解の話がまたTwitterで話題になった。
  • この手の話のやり取りが全く無駄になるわけではないが、一定程度定着するまでには時間がかかる。
  • 例えば昔、日本では「マーシャルアーツ」というのは主にアメリカンキックボクシングのこと、あるいは軍隊格闘技のことだった。参照→wikipedia:マーシャルアーツ
    • 実際には英語では格闘技全般(スポーツ化したものを除くことはある)の意味だが、日本では成り行きでそういう意味の言葉として使われた。
    • この誤解が解けるまでにはかなりの年月を要した。
    • もっとも、今でもこの誤用例は僅かにある。
    • 現在のネット小説でもこの誤解は生きている。使用例は少ないが。
  • この種の知識のアップデートとその遅れというのは様々な例がある。
    • 例えば「リボルバーはオートマチックと比べて弾詰まりがないからプロが選ぶ」という知識は長い間使われていた。
    • もちろんリボルバーの信頼性が高いというのは間違いではないが、そういうメリットは銃器の進歩と時代の流れでかなり前から実用上の意味が薄れてしまった。
    • しかし北米の軍人・警察官といったプロがリボルバーをほぼ使わなくなってから相当の年数が経った時代でもこの知識が日本の創作の世界では長年生き続けていた。創作が現実に追いつくまでかなりの年月が必要だったのだ。
  • 現在世間に広まっている武術や武器についての古い知識・誤解も、新しい知識にアップデートされるまでは相当の時間がかかるだろう。
    • アップデートが遅くて次に浸透した知識もまだ古い、ということもある。
    • ただし、これは武術に限った話ではないが歴史的人物のエピソードの真偽や説はなかなかアップデートされない。
  • 良く考えたら上に挙げた例は、誤解に対する正しい知識の流布との関連性を全く解説していない。カウンターとしての知識の流通次第で違う経緯を辿る可能性も高い。
    • また創作の場合は「そのほうが使いやすい」「そのほうが面白い」という理由で間違った知識が残ることはあるだろう。作品の路線も関わるから一概に言えない話である。
      • もちろん作者がただ単に間違いのほうしか知らないこともある。