システマのリラックスとテンションについての経験談

ステマではリラックス、脱力を重んじる。
しかし人を相手にしている時にリラックスして動くのは難しい。
その点の理解が進むようにどうしてきたか、自分の話を書いておく。


ステマのリラックスは、当たり前の話だが全ての力を抜くという話ではない。
もし全ての力が抜けたら立っていることさえできない。
不必要な力、使わないほうがいい力みがない状態で動く必要がある。
ではどうすれば必要な力だけを使えるか。


私の場合、一記事肩を痛めた際に自分の力みを痛みで実感したことがあった。
それは「リラックスした動きのためにはテンションを操る必要がある」ということだ。
細かく適切にテンションを制御できれば、結果的にリラックスして動くこともできる。
このためよくやったのはテンション・エクササイズと呼ばれている練習法だ。
仰向けに寝た状態で息を吸いながら身体の一部だけを緊張させ、呼気でリラックスさせる。
これを全身・両脚・腹部・背中・胸部・首に対して行う。同様に左右の手や上半身・下半身といった区分でやる方法もある。
また、一部だけリラックスしてそれ以外を緊張させるというパターンもある。
テンション・エクササイズをやるとテンションが入りやすい箇所、テンションを入れにくい箇所を緻密に感じることができる。
それと、これはあまり推奨できない練習方法だが、プッシュアップやスクワットといった基礎運動をしながらこのテンション・エクササイズをやるというのもやった。
これをやると緊張しつつ動かせる限界やリラックスしつつ動かすギリギリの領域というものを様々な部位で実感できる。
その反面、完全なリラックス状態や完全な緊張状態ではない曖昧さのため、意識しにくい部位の扱いが雑なままになりやすい。この点は注意が必要だ。
テンションの使い方が分かるとともにリラックスについても使えるようになっていく。
同様に他人のリラックスとテンションについても感じ取りやすくなる―が、実際には他の様々な練習の影響もあるので、あまり特定の練習に拘泥しないほうがいいと思う。