システマが登場するネット小説102作品を調べてみた

ロシア武術システマが登場するネット小説の作品を改めて読んで調べてみた。
今回分析対象としたのは以下のサイトのシステマが登場する小説102作品だ。
いつもの検索中心の調査と違って今回は作品タイトルごとに確認し、登場場面や使い手の情報を読んで調べた。
これによりシステマ使いの属性について個別に見ることができた。

分析対象サイト

小説家になろう」:30作品
ハーメルン」:36作品
カクヨム」:16作品
ノクターンノベルズ」(「ムーンライトノベルズ」「ミッドナイトノベルズ」を含む):6作品
Arcadia」:5作品
アルファポリス」:5作品
エブリスタ」:1作品
野いちご」:3作品

各種数字

作品数
対象作品数 うち言及のみ
102作品 31作品

確認したネット小説投稿サイトでシステマが登場する小説は102タイトルあった(評論・エッセイ・感想に登場する作品は除外した)。
このうち例や説明のみに登場する小説は31作品あり、登場人物がちゃんとシステマを使う小説は71作品あった。
こうして見るとシステマがちゃんとしたかたちで登場するネット小説は単純検索で出る件数のように多くはない。
書籍化された作品はこのうち3タイトル『異世界支配のスキルテイカー』『終天の異世界と拳撃の騎士』、『竜の専属紅茶師』である。また、カクヨムカドカワBOOKS公式連載『滅びゆく妖魔のための武術入門』もシステマへの言及が僅かに登場する。

ステマ使いの属性
使い手の性別 男44/女32
主人公である 37作品
スペツナズである 2作品
他の武術も習得 35作品

一作品で複数の男女が使う作品はそれぞれ別にカウントしているため、システマ使いがでる71作品よりも男女合計数が多い。ただし、人数性別が明記されていない集団は除外している。
スペツナズの集計には元スペツナズ隊員も含めている。
多くの作品でシステマを使うのは民間人・生徒であり、特殊部隊隊員や兵士がシステマを使うことは少ない。ただし、軍学校のような特殊な学校の生徒が想定されている場合はある。登場人物の年齢が明示されていない作品が多く、年齢での表は作成しなかったが10代後半が多いことが伺える。またシステマが訓練や授業、ジムなどで多人数に指導されている状況がある作品は1作品しかない。システマ使いがどのような環境・指導者からシステマを学んだかについては書かれていない作品も多いので集計していない。

ステマ使いの出身地
国・地域 日本 ロシア ヨーロッパ アメリ 中近東 架空 不明
件数 53 7 2 1 1 2 8

ネット小説のシステマ使いのほとんどは日本出身である。ただしロシア滞在経験者、ロシア系日本人なども日本出身者には含まれる。
架空とあるのは架空の国出身者の例だ。

他の習得武術 件数
中国武術 13
軍隊格闘技 10
柔道 9
合気道 7
空手 6
剣道 5
サンボ 4
カポエイラ 4
サバット 3
ムエタイ 3
ボクシング 3

中国武術は複数の門派をまとめた。最多は八極拳の5件である。軍隊格闘技も複数の格闘技をまとめており、最多はクラヴ・マガの7件である。
また、この表に記載した以外に1〜2件しか登場していない格闘技が他にあるが、表が長くなるため入れていない。

ステマ以外の習得武術数 件数
0 36
1〜2 20
3〜4 5
5〜6 2
7以上 8

これは作品数を出力している。システマを使う登場人物が複数いる作品では習得している武術が共通だったためだ。
0件はシステマのみを学んだことを指す。7以上には「等」「多数」といった記述で武術数が明確には分からないものも含む。
多数の武術を学んだキャラクターよりもある程度数を絞ったキャラクターが多いと言える。