アペンディックス・キャリーについて

今日の練習前に話題になったアペンディックス・キャリーについて書いておく。
アペンディックス・キャリー(Appendix Carry)は拳銃の携行スタイルの呼び名の一つだ。ズボンのウェスト内側、前方・利き手側に銃を入れておく携行方式のことを言う。ここ10年程でアメリカでこの位置の携行方法が広まった。
この場合のアペンディックスとは文字通り虫垂(盲腸)のことで、右利きの場合に銃が虫垂の辺りに位置することに由来する。
この位置に拳銃を差しておくこと自体は古くからあり、19世紀のリボルバーでも同様の装着例があるという。
アペンディックス・キャリーが21世紀アメリカで注目されたのは、2006年に射撃技術指導を行っているゲイブ・スアレス(Gabe Suarez)がこの携行方式のメリットを感じて指導し始めてからである*1。なお、似た言葉は以前から存在し、有名なシューターのジェフ・クーパーは1979年の著作Jeff Cooper on Handguns: An Expert's Guide to Handgunningで“appendix position”という表現をしている。
(ゲイブ・スアレスによるアペンディックス・キャリーの記事と動画)
https://blog.suarezinternational.com/2017/02/appendix-carry-comfortable-concealable-and-quickest.html

アペンディックス・キャリーは銃にアクセスしやすく、特に近接格闘、グラウンドでの格闘といった状況で抜きやすいというメリットがある。欠点は座った時・しゃがんだ時に快適ではないということだ。
前から存在したこのポジションの技術と名前が知られたことで長所・短所の議論や技術の研究・指導が行われやすくなった。
その結果、2010年代になるとアペンディックス・キャリー用ホルスターを出す会社が増えるなど一大ブームになっていった。
このアペンディックス・キャリー用ホルスターをAppendix Inside the Waistband Holster、略してAIWB Holsterと呼ぶ。
現在では多くのホルスターメーカーがAIWBホルスターを製造販売している。
このポジションから抜き撃つ技術はロシア系の射撃技術とも相性が良く、システマのインストラクターでもあるソニー・パジカス師はAIWBホルスターのデザインにも協力している。
これによって生まれたのがLiion Defense社の“Berkut”である。
ソニー師の解説・デモンストレーション動画)

(Liion Defense社のBerkutについて)
https://www.sonnypuzikas.com/berkut-holster
現在はGreen Force TacticalがBercut IIを製造販売している。
Berkut II - Adjustable Reverse Cant Appendix Holster