国立歴史民俗博物館「陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-」

公式サイト:企画展示|展示のご案内|国立歴史民俗博物館

今日はシステマの練習後に佐倉の国立歴史民俗博物館に行き、企画展「陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-」を見てきた。
陰陽師といえば伝説、創作の陰陽師ばかり知られているが、この企画展は陰陽師の活動・歴史など全般を扱っている展覧会だ。
暦法の割合が高めで陰陽師以外の展示もあり、貞享暦を作った渋川春海がらみの展示もかなりあった。
展示は文字資料が多めで、以下のような構成となっている。

第1部 陰陽師のあしあと
陰陽寮設置から近世までの陰陽師の各時代の活動と役割について)
第2部 安倍晴明のものがたり
(史実と伝説の安倍晴明とその後の影響)
第3部 暦とその分化
(古代から現代までの陰陽師の暦も含む様々な暦や暦に関する制度について)

私的見どころは、幸徳井友景や土御門久脩の史料と解説、陰陽師と民俗、『影武者徳川家康』に出た影武者の家康だから本物の家康と年齢が違うという天曹地府祭都状の解説、冲方丁天地明察』の題材となった渋川春海のあれこれ、実現しなかった帝国主義のための改暦といったところだが時代・地域の陰陽師の活動も面白い。

徳川家康の都状の件は書いておかないと忘れそうなので詳しく書いておく。


隆慶一郎影武者徳川家康 中』(新潮社, 1993)より。

ここに出ている徳川家康の影武者・二郎三郎が家康を装って捧げた都状というのが今回の展示の天曹地府祭都状だ。
なぜ年齢が違っているのかというと、もちろん家康が影武者だったからではない。
展示解説では年齢が違うのは、立春で年齢を上げていたためだという書かれていた。