目黒寄生虫館時間外貸切ツアー

今日は夕方から目黒寄生虫館へ。
館長による講座つき貸切企画に参加してきた。JR東海ツアーズが受付しているツアーで閉館後に開催される。
倉持利明館長が展示されている寄生虫について選んで解説し、また非公開のバックヤードを見学する。
今回、目黒川の桜の季節ということで(桜は咲いてないが)サクラにちなんだ寄生虫を中心に寄生虫の生態や研究についての興味深い話を聞いてきた。
写真は今回の目玉の一つ日本海裂頭条虫(サナダムシの一種)の中間宿主サクラマスの標本。
サクラマス目黒寄生虫館にはなく、このためにつくばの国立科学博物館から借りてきたものだ。

この他、馬肉に入っていることがある寄生虫や養殖クロマグロ寄生虫、日本住血吸虫、シーラカンス寄生虫アニサキスについての解説があった。
馬に寄生する原虫・ザルコシスティス・フェアリーは2011年に確認された寄生虫で、それまでは謎の食中毒とされていた。
養殖クロマグロの脳につく粘液胞子虫Kudoa yasunagaiは、胞子がサクラの花のような形状をしている。
日本住血吸虫は特定地域で発生が多く、日本での根絶に至る歴史の解説があった。
アニサキスの最終宿主がミンククジラであることを突き止めたのは倉持館長なので(それまではイルカとされていた)、その発見に至る経緯を聞くことができた。
バックヤードの保管庫は集密式で、プレパラートや液浸標本、図書・雑誌や研究資料などがあり、各種保管方法についての解説があった。図書分類は請求ラベルを見たところ日本十進分類+日本著者記号表だ。

この企画の時間は一時間あまり。質問時間や撮影時間もあり、ミュージアムショップの利用もできる。
面白い内容なので、生物に興味がある人にはお勧めできるツアーだ。