儒教のかたち こころの鑑 日本美術に見る儒教 サントリー美術館
サントリー美術館の「儒教のかたち こころの鑑 日本美術に見る儒教」に行ってきた。
儒教が日本でどう受容されたかと、儒教に関連する絵画・工芸品を展示している。
儒教の日本における重要性の割にこういう展覧会は珍しい。
仏像や寺院ほど儒教関連は数が残っていないからだろうが、ともかく美術館・博物館では儒教は軽視されがちだ。
展示には儒教上重要な君主や政治家が描かれていることがあり、管仲や董仲舒といった有名どころは覚えていても色々と忘れていて「蘧伯玉って誰だったっけ」と基礎知識がだいぶ抜け落ちていることを自覚した。
気になったのは狩野探幽の「名古屋城本丸御殿上洛殿上段之間南側襖絵 帝鑑図 露台惜費」。
漢の文帝が浪費に気付いて展望台の建設を止める逸話の図を徳川家光上洛に合わせて増築された名古屋城の上洛御殿の襖絵にしたということに当時の人は疑問を感じなかったのだろうか。
あと気になった展示に鈴木春信「五常 義」があった。
一見女性に見える二人は男娼で(髪飾りで判別できる)、持っている本に予譲が衣を刺している図(予譲刺衣図)がある。
江戸時代の男色と義の関わりが背景にあるハイコンテキストな絵だ。