東京都立図書館に行く用事があったので山種美術館にも行ってきた。
「日本画聖地巡礼2025―速水御舟、東山魁夷から山口晃まで―」だ。
日本、そして海外の各地を描いた日本画と現地の写真、画家の文章を合わせて展示している。
また実際の現地に行った人(館長ら)の文章もあり、作品の背景を知る上での情報が多い。
今回初展示の山口晃《東京圖1・0・4輪之段》は単なる東京の鳥観図ではなく、歴史を交錯する部分が面白い。
例えば日本橋にあるのは江戸時代の橋だし、浅草には凌雲閣が建っている。
これは実物を見ないと全く分からない絵だ。
今回のように絵の題材となった風景の解説は過去の展覧会でもあって、昨年の「東山魁夷と日本の夏」展の東山魁夷《京洛四季》の展示説明と今回の展示は同じだ。
しかし全体でこうした展示を行うと地理的に観る意識があって面白い。
展覧会の規模という制限の中、場所の偏りがあって全国満遍なく各地の絵を展示するというわけにはいかないのが難しいところだ。