カスタムナイフ注文事例 デビッド・モージェ その2 完成〜到着編

 思ったより早く届いた。最初の問い合わせからナイフの到着まで、40日程度しかかかっていない。
 さて、アメリカのカスタムナイフメーカーは通常は製作開始時に連絡をくれる。その後、完成に至ってからまた連絡がある。支払いをどの時点でするかはメーカーによって様々だ。デビッド・モージェの場合、製作前にデポジットを払って、残りの代金を完成時に支払う。
 完成したナイフはこちら。
http://i106.photobucket.com/albums/m271/machida77/knife/dmk1.jpg
鋼材:S30V ハンドル材:ブラック&レッドG-10 シース:カイデックス
 見ての通り、カランビットである。知らない人のために説明すると、マレーシア、フィリピン、インドネシア等の地域の伝統刃物で、武器としても使われる。鋭い切っ先、鎌のように湾曲した刃と、ハンドル端にあるリングが特徴。武器として使う場合、逆手に持って人差し指をリングに通して持つことが多い。アメリカでは特に90年代後半から広く普及した。米軍の一部の特殊部隊でもカランビットは近接格闘用として使われている。
 このナイフのベースになったモデルは、刃のカーブがこれよりきついものだった。そこで、自分が教わった技術や見聞を基にデザインしなおしたのがこのナイフだ。エッジ部分の長さ2.5インチ(6.35cm)と小さめだが、幅広で力をかけられるデザインになっている。また、この種のナイフはシースが難しいのだが、ネジ止めの配置とカイデックスのテンションがちょうどよく、適度に抜きやすい。ハンドル材のブラック&レッドG-10は二色積層のG-10で最も好きなパターン。赤の明度が低いのでウッドと色の感じが近い。