妄想力が止まらないバキ

 一年の初めの「バキ」は、ゲバルの物凄い妄想力の顕現であった。
「今から君は実感する。 地上から6378000メートル地下に存在する核の硬さを!!!」
 真上に攻撃するだけの技にそんな大げさな。しかしこの手のマンガというのは大風呂敷を広げすぎるくらいが面白いし、ゲバルはオリバに押され気味だったのでバランスとしても良かったのかもしれない。
 そして今週号。アメリカ大統領に、勇次郎に、刑務所のその他大勢(刃牙含む)に強さを讃えられるゲバル、という凄い妄想から始まった。すぐにこれが現実でないと分かる。いくら何でもこれはないだろう(特に戦ってもいない勇次郎が褒め称えるところ)。しかし、ゲバルが勝利の夢を見ようが話としてはどうでもいい。問題は、「オリバの妄想は凄い」というところだ。「肉への愛」を語り、筋肉至上主義を謳うのはこれまでの流れからも納得できるが、おさえていないとあの刑務所を上回る筋肉だというのは凄い。ぜひあのオリバの膨張する筋肉の妄想を刃牙がリアルシャドーしてしまって潰される、というところまでやってほしい。