世界の怪剣・奇剣

不知火殺法 (集英社文庫)

不知火殺法 (集英社文庫)

 時代伝奇夢中道 主水血笑録で紹介されていたので読んだ。
 かつてイン殺さんが何度か『世界の怪剣・奇剣』という着想を用いている(言うまでもなくこれは民明書房の『世界の怪拳・奇拳』を元とする)。まさにその『世界の怪剣・奇剣』にふさわしいのがこの短編集『不知火殺法』だ。ムツゴロウ獲りとか銛投げとか、剣と関係ないのが多いけどあまりに伝奇小説なので「剣」がふさわしい。
 オチが早い段階で読める話があったり不条理な話があったりで、かなり人を選びそうな小説だが、なかなか味わいのある短編集である。一番のお勧めは、伝説のオリハルコンを求めて日本にやってきたフランシスコ・ザビエルバスク古来の体術・武術を使う「バスク流殺法」。