中国が打ち上げた神舟7号の宇宙遊泳の映像に関して、動画サイトや2chで捏造だと主張する動きがあった。
その論の粗雑さは9.11陰謀論やアポロ陰謀論と極めてよく似ている。
そこで松浦晋也氏が捏造論を批判するエントリをブログにアップし、また捏造論者の主張に対して回答していくエントリも立てている。コメント欄も必読。
このっ、バカ共が！: 松浦晋也のL/D
10月1日正午までに提出された疑問と回答: 松浦晋也のL/D
山本弘氏もこの件に対してエントリを立てている。
山本弘のSF秘密基地BLOG:今度は「神舟７号の宇宙遊泳もなかったろう論」
捏造論を唱える人間の科学リテラシーの無さと「中国が悪い」といった先入観を繰り返すことしかできない人間の愚かしさが見える（9.11陰謀論やアポロ陰謀論で反米に凝り固まった人間と思考が同じ）。書き捨てコメントや論者の態度批判しかしない人間は、こうした陰謀論批判や疑似科学批判ではありがちだなあ。松浦氏が冷静かつ丁寧なので逆効果なのだが。
松浦氏のブログでは当面知識のある人間が捏造論を否定していく過程を見ることができそうだ。なかなか知ることのできない宇宙関係の知識を知ることもできる。今後も楽しみだ。
この件に関して、捏造論をネタ扱いしている人間がいる。例えばはてブのコメントとか。
はてなブックマーク - 松浦晋也のL/D: このっ、バカ共が！
ネタ扱いしている人は、人間を無駄に信頼しすぎである（捏造論を信じたことを誤魔化すためにネタ扱いということにしたい人もいるようだが）。陰謀論からオカルト、疑似科学まで愚かしい論を信じる人間は掃いて捨てるほどいる。過去の歴史から見ても、そうした認識がない人間こそがビリーバーの増大を助長するのだ。早期に動いた松浦氏はさすがと言えよう。
(10/2追記）
10月2日午後2時までに提出された疑問と回答: 松浦晋也のL/D
追加分が出た。もう松浦氏を批判する人間や捏造論者は
(1)松浦氏や専門家の態度を批判する。
(2)これまでの中国が悪いと中国のせいにする。
(3)科学的知識の必要な部分については、ありえないような可能性まで提示することで捏造論に根拠があると言い張る。
(4)現時点で説明できないことがあると捏造の根拠だとみなす。
このパターンに完全に絞られている。陰謀論や疑似科学の議論ではしばしばこうしたバカが現れる。
(1)はニセ科学批判批判によくあるパターンで、内容についての議論から逃避しているだけである。
(2)は「自分は先入観で間違いを信じた」と言明しているのと同義で、バカを晒しているだけである。
(3)は捏造論の可能性の低さを自ら提示しているのと同じである。
(4)は捏造論の根拠には全くならない。しかもこの手の主張は時間が経ち、情報や専門家の見解が増えるほど捏造論者には不利になる。
こうしたバカな主張をする人間は、それで得意げに（あるいは必死に）取り繕っているのが痛々しい。ここまで徹底的にトンデモ潰しが進むともう極端なバカしか残らないが、普通の人が引きずられて捏造論者になるのを防ぐためにもせいぜいやられ役として頑張ってほしい。
