趣味から入る英語講座

 はてブを見ると英語能力を高めたい人がやたらいることが分かるが、どうも自分の感覚とはズレがある。
 ここはひとつ、自分ならではの趣味の英語の学習法を紹介しよう。
 ここで趣味といったら銃とナイフの話になる。
 この二つの分野は、英語圏から情報や物品の入手をしたほうが良いことが多いのだ。
 図書館情報学の英語も似たような話になるが、それは措いておく。

知識を高める

 まず趣味の世界の語学力は畢竟その分野に対する知識力に比例する。異論は認めない。
 TOEIC1000点の人間だろうが知識なくして英語の銃雑誌を十全に理解することはできない。
 例え日本語を母語とする人間でもガンマニアでなければ月刊Gun誌を理解できないのと一緒だ。
 特に銃だのナイフだのといった分野の用語は、対応する日本語が存在しないこともある。
 英語の文章や語句を理解するために形状、機能、役割、動作といった深い理解を必要とする。
 自分がこの分野の英語を知った時代には小林宏明さんの本はなかったが、今では小林さんの本があるのでかなり楽になっているはずだ。
小林宏明のGUN講座―ミステリーが語る銃の世界
小林宏明のGUN講座2―ミステリーから学ぶ銃のメカニズム
図説 銃器用語事典
銃の基礎知識―銃の見方から歴史、構造、弾道学まで
 この4冊は必読だ。そしてナイフの世界にはこういう本がない。

発音はドキュメンタリー・映画・ゲームで

 銃やナイフに関する語句は、どのように発音されるか日本にある教材では決して教えてくれない。
 英語のドキュメンタリー、映画、ゲームで略語や独特の表現に気をつけて聞いてみるといい。
 最近は動画サイトもあるので、多くの用語の発音を日本にいながらにして知ることができるようになった。
 ただし"R.P.G!"の発音ばかり覚えてしまうこともあるので、自分が求める発音と勉強に使う題材にギャップが少なくなるように注意しよう。
 S.T.A.L.K.E.R.ばかりやっているとポマギーチェやイデェーカムニェーばかり覚えてしまうぞ。

推理する

 上述の対応する日本語がない用語にも言えることだが、英語の意味は知識や文法の知識では埋められない不明点が必ず出てくる。
 その場合は推理する必要が出てくる。
 例えば文中に出てきたstockが銃床か銃把か在庫か株かを判断するのはまだ容易だが、実際の会話では色々と省略されていて分かりにくいことがある。
 未知の単語が登場すると尚更厄介だ。
 そういった場合、いくつかの可能性を考慮しつつ推理しながら対応するしかない。
 趣味の世界の用語は、辞書をひいても載ってないのが普通だからだ。
 もちろん状況によっては相手に説明を求める、確認するといった事ができることもある。
 ただし、書籍や雑誌を読む場合などはかなり厄介なことになる。

コミュニケーションの場に加わる

 文章でのやり取りを身につけるには、フォーラムサイトに参加するのが一番だ。
 海外では登録式、テーマ別のフォーラム形式の掲示板が盛んであり、そこでのやり取りは独特の表現や用語もあって学習には最適だ。
 もちろんROMではなく積極的に情報提供するのが望ましい。
 この種の活動をやっていると、そこで知り合ったネイティブスピーカーとオフラインで会って話をする機会も出てくるので、会話の実践にもつながる。
 最大の欠点として英語SPAMが急増することが挙げられる。

普通の勉強もする

 大体上のようなことをやっていると真っ当な英語学習もしておいたほうが良いことに気がつくので、この辺で勉強もする。
 目的意識と実践経験があったほうが勉強ははかどるものだ。
 この時点でどういった勉強法を選ぶかは、経験と好みで判断する。
 目的が違う他人の意見はあまりあてにならない。
 この段階に至るまでに経験的に文法等の知識はある程度分かっている筈なので、後は裏づけや応用を身につけることでコミュニケーション能力を高めるのだ。


 以上の方法はかなり変則なのと元々の語学力に依存するのでかなり人を選ぶ。
 仕事で勉強したい人には全くおすすめできない。