昨日の消音リボルバーPSDR 3 - 火薬と鋼に関連して、過去の有名なサイレンサー/サプレッサー付きリボルバーを紹介する。
一つ目はこの手の話をすると必ず例に挙がるNagant M1934から。
Silenced 7.62 mm Nagant Revolver
ナガン・リボルバーはもともと弾頭が薬莢にカバーされ、発射時にガスが銃口以外から漏れにくい構造をしている。
http://world.guns.ru/handguns/nagant_cut.jpg
このためサイレンサーを使用した場合の効果が通常のリボルバーより高いとされている。
この銃はスパイによって使われたというが、詳細はよく分からない。
ナガン・リボルバーのように特殊な構造や弾によってリボルバーから漏れる音の制御を行った例として、ロシアの消音リボルバーOTs-38 - 火薬と鋼がある。
この他いくつか各国の軍の特殊部隊で使われた消音リボルバーがあるが、画像がないのと情報が少ないので紹介しない。
こうした例では、ナガン・リボルバーと異なりシリンダー・ギャップと呼ばれる隙間の多いリボルバーが使われている。
なぜ効果的ではないリボルバーにサイレンサーが付けられたのか?
いくつかの理由が想像される。
まず、薬莢を回収する必要がなく、証拠を残さない活動がしやすいこと。
次に、オートの拳銃と違ってサイレンサーが銃の作動に影響を与えないこと。
そして、潜水からの上陸作戦で水に浸かってもリボルバーなら影響が少ないこと。
ただし、こうした問題点はオートでも対応できる。
このため、消音リボルバーはかなり限定されたものしかない。
サイレンサーの効果を上げるという最大の問題を解決するには、コストがかかる。
軍や諜報用としてならともかく、警察用として消音リボルバーが開発されたというドイツの例は極めて珍しい。
次に紹介するのはKnight's Armamentのカスタムリボルバー。
gods-inc.de
http://i124.photobucket.com/albums/p22/StaceyC123/Knightrevolver.jpg
http://i124.photobucket.com/albums/p22/StaceyC123/RevolverRifle-1.jpg
Sturm Ruger社の44マグナムリボルバーSuper Redhawkをベースにカスタムされた銃本体と、スコープ、サイレンサー、ストック、バイポッド(二脚)のセットだ。
100mの距離で狙撃を行い、連射が可能で、痕跡となる薬莢を残さず、発射音や発射光を減らす―という、極めて特殊な目的のために作られたカスタムである。
この銃もさすがにあまり数は作られていないと思われる。
果たしてどのような任務で使用されたのだろうか。
最後に紹介するのは米軍でSmith & Wesson社のM29をベースとして作られたカスタムリボルバー。
http://world.guns.ru/handguns/double-action-revolvers/usa/qspr-silent-revolver-e.html
Quiet Special Purpose Revolver (QSPR)と呼ばれるこの銃は、ガスを抑える特殊な弾を使用するもので、ベトナム戦争でのトンネル、地下での活動のために作られた。