英語について書いているブログは数多あるが、それでも触れられていない領域というのはまだまだある。このブログを読んでいる人向けに、英語能力試験には登場しない実戦的な英語のフレーズを不定期に紹介していく。
第1回は"hand-to-hand"について書いてみよう。
"hand-to-hand"は、より厳密には"hand-to-hand combat"と記述する。ネットの文章では省略して"H2H"や"HTH"と記述されることもある。
"hand-to-hand"の意味は、徒手格闘+武器格闘だ。戦闘そのものを指す場合もあれば戦闘技術を指す場合もある。
"hand-to-hand"で使われる武器とは銃火器ではなく、ナイフ、銃剣、棒などの近接戦闘武器を意味している。このため、"hand-to-hand"の訳語はしばしば「白兵戦」とされる。実際には訓練などでは技術体系の都合上、徒手格闘の割合が多い。米軍のマニュアルなども徒手のための訓練がまず前提になっている。
米軍の格闘マニュアル2008年版(PDF)US ARMY FM 21-150 - Hand To Hand Combat
この"hand-to-hand"という言葉は、単に徒手格闘のみを指す例もある。しかし競技としての格闘技や試合については絶対使われないフレーズだ。実戦の戦闘や技術でのみ使われる。具体的には、軍隊格闘技、護身術といった格闘技やその実戦に対して"hand-to-hand"という言葉が使われる。"I want to learn hand to hand combat"と言ったら、競技ではない武器使用もあり得る実戦向けの格闘技を学びたいと言っているということだ。派生して、古流の柔術や空手といった伝統武術に対して言われることもある。
そういう訳で、"hand-to-hand"という言葉の使用には気をつけよう。