サバイバルナイフの現状

サバイバルナイフについて書いてほしいという要望を受けたのだが、一から書いていたらいつ書き終わるか分からなくなったので、最近のサバイバルナイフ評価サイトを紹介し、ポイントについてだけ書いておく。


サバイバルナイフの評価サイト・記事
例1 Your Guide to the Best Survival Knife | BestSurvivalKnifeReview.com
例2 How To Choose The Best Survival Knife – Knife Depot
例3 Choosing The Right Bushcraft Knife | Greenman Bushcraft


サバイバルナイフは、ほとんどの目的がブッシュクラフトナイフと被っている。ブッシュクラフトナイフとは、焚き火やシェルター作り、罠作りなど木の加工や蔓・ロープの切断等に使うナイフだ。
ベア・グリルスが出演しているテレビ番組『サバイバルゲーム MAN vs. WILD』での用途をイメージすると分かりやすい(あれはあれで番組向けにかなり簡単にやっているが…)。


参考:番組で使われたナイフWelcome to Bayleyknife - The home of practical, handmade knives


このため、海外ではサバイバルナイフの話題になると軍用サバイバルナイフより一般的なブッシュクラフトナイフが示される傾向がある。
その辺を踏まえて最近のサバイバルナイフに求められている要素をまとめると次のようになる。

  • 鋼材

鋼材は炭素鋼のほうが研ぎやすく切れる刃をつけやすいので根強い人気があるが、これも環境次第。多湿とか海の近くとかではステンレスが好まれる(炭素鋼でもコーティング等で防錆する例もある)。しかし鋼材の品質や特性は色々なのであまり単純視しないほうがいいかもしれない。軍採用のエアクルー、パイロット用のサバイバルナイフの鋼材は現在ではほとんどステンレスだ。

  • ハンドル

ハンドルは疲れにくい丸みをおびた形状のほうが人気があり、角ばったデザイン、滑り止めの加工が鋭いナイフは人気がない。パラコード巻きハンドルは解いて使えるとか、滑りにくいといった点は長所だが、木に叩きつけて加工するような用途ではつらい。

  • 形状

ファイティングナイフの要素を兼ね備えた軍用ナイフ的なものよりキャンプナイフのようなクセのない形状のフラットグラインドのナイフが好まれる傾向がある。
ESSE Knivesの人気が高いのもこうした条件に合っているからであり、兵士でもこの種のクセのないナイフを持つ例がある。
ナイフの大きさについては結構意見が分かれる。

  • セレーション(鋸刃)

サバイバルナイフの代名詞とでも言うべき背の側のセレーションが高く評価されることはほとんどない。しかし絶対に使えないというわけでもなく、ランボーナイフと同様のセレーション形状を持つカスタムナイフのセレーションで2インチ×2インチの木材を切断するテストの例を知っているし、形状と木の性質次第では時間がかかるが使える。
あの鋸刃の存在意義は、通常の刃の側で木を叩き切るとエッジの損耗が激しいので、それを防ぐためだと考えられる。木を切るのに刃を使うか鋸刃を使うか他に鋸を持つか。そういった選択のバランスの中で必要性を考え、時間や刃の損耗を抑えたい強い理由があるのでなければ基本的には使わないものと考えておいたほうが良い。

  • セレーション(波刃)

ナイフのエッジの一部にセレーションエッジがついているものがある。切れ味が落ちにくく、特にロープの切断で有効なことから一定の人気がある。繊維質のものをよく切る場合には必要だが、そうではない場合には邪魔だと考える人もいる。

  • 収納、その他の機構

一頃よくあった、ハンドル内部に収納スペースがあるナイフは軍でも民間でも見られなくなっている(少なくとも新製品として出ることはまずない)。ハンドル収納に限った話ではなく、一本の大型ナイフに全ての機能を集約・附属させるという考え方自体、80年代の短い流行でしかなかったのではないかと思う。