ロシア軍特殊部隊ナイフ“カイマン”

ロシアクラスタ向けの話。
ロシア軍特殊部隊用ナイフをまた新しく手に入れたので紹介したい。
以前の記事はロシア軍特殊部隊ナイフ“カラテル”ロシア軍特殊部隊ナイフ“アンチテロ”を参照のこと。
今回入手したナイフ“カイマン”は以前入手したナイフ同様ロシアのMelita-K Knivesが製造したナイフだ。在庫がないためなかなか入手できなかった。
今までのものと基本的な作りは同じだが、細身になっている。

このナイフは2007年に対テロ任務を行うロシア軍特殊任務支隊ヴィチャージVityazのために作られたナイフだ*1。都市部での近接格闘に適した形状になっている。また、単に持って戦うだけでなく、ナイフ・スローイングにも使えるとされている。ヴィチャージの名が再編されてなくなった後、使っている組織があるかどうかは不明だ。
名前のカイマンは、中南米に生息するワニのカイマンのこと。小型のナイフを小型ワニになぞらえて命名されたという。

この系統のナイフに特徴的なブレードバックのセレーションやくびれは、カイマンくらい細身になるとほとんど目立たない。

これまでのカラテルやアンチテロとはハンドル形状やハンドルエンドのバットキャップの形状も異なっている。
しかしハンドガードはどれも同じ。持ってみるとカラテルやアンチテロよりもハンドルのほうに重さを感じる。
このバランスでは普通のナイフスローイングはやりにくいと思われるが*2、ロシア軍特殊部隊のナイフスローイングには近い距離でナイフを回転させずに投げる技術があり(昔のシステマのビデオにもあった)、その用法で使うのかもしれない。試してみないと分からないが。

比較すると分かるが、ブレード側面の溝はカイマンが一番幅がある。色々な写真を見ると個体差ではなく、全てそうなっているようだ。実用上意味がある工夫だと思うが確証はない。

*1:なお、ヴィチャージは2008年に再編統合で第604特殊任務センターになっている

*2:例えばハンドルが軽量のグロックのナイフはスローイングに適しているとされる