食品会社で知ったそば・うどん専門誌

私は図書館委託会社にいた際、企業図書館の仕事もした。
その中の一つの食品会社の研究所図書館がある。
そこでは目録データを作っていたのだが、独自の分類やデータ項目のために資料の内容をかなり読む必要があった。そのため、その図書館の仕事をしている間は学術的なものから食べ歩きの本まで、食に関わる本・雑誌をやたら読む羽目になった。
その中で面白いものの一つに柴田書店の雑誌『そばうどん』があった。


そば・うどん  (株)柴田書店 - 食の総合出版社



創刊号はネットで読める。
そばうどん 創刊号


この雑誌は日本唯一と言っていい蕎麦とうどんの専門誌だ。私が扱っていた当時、公称発行部数だけで言えば『日経レストラン』の3倍は発行されていた。
どちらかというと店を開きたい人向けの内容で、歴史からそば粉・小麦粉の生産現場、有名店や話題の店の紹介、店舗建築、調理技術、調理器具など、様々な記事があった。
広告も蕎麦屋うどん屋の業務用のものが中心で、私はこれで「手打ちそば機」という製品のジャンルがあることを初めて知った。手打ち風に製麺する機械で、名前だけ見ると矛盾している。
店を経営する側のための雑誌であるためなかなか表に出てきにくい話もあって、この手の食べ物に興味がある人にお勧めの雑誌だ。
とは言え大型書店にでも行かないとまず見る機会はないが…。